Simply mini J

1日5分、その日の自分を振り返る時間を作りなさい。
    昔そんな話をお坊さんから聞いた。

六本木アートナイト2018(3)

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All Photo by inos

六本木ヒルズの待ち合わせ場所として有名なルイーズ・ブルジョワによる巨大な蜘蛛の彫刻作品。ママンと呼ぶそうですが、この蜘蛛の彫刻がカラフルな毛糸を纏いいかにもアートとして再注目されたイベント当日。

紅白のカラーリングと細長い足の組み合わせは、見方によっては真っ黒だった通常のそれより気持ち悪く感じなくもないですね。現実にこんな感じの蜘蛛やカニっていたような気がするのです。だからなんだかアートと呼ぶより少しリアルな感じがするというか...。足の一本一本を別の配色にするとか電飾で光るとか、非現実的な見た目にすれば純粋にアートとして見れたかも。テキスタイル・アーティストのマグダ・セイエグさんという方の作品らしいですから ”テキスタイル” という点への拘りが重要なんでしょうね。その方を代表するカラーリングだったりとか。

とは言え、ヒルズの青とライティングされカラフルな蜘蛛のカラーバランスはなかなか見ごたえがありました。

カラフルな蜘蛛の近くにはこれまたカラフルな車が。子供が自由に落書きをしたならもっと色同士が混ざって汚い配色になりそうなものですが、こちらは何処か意図があってこのような模様にしたんだろうな...そんなふうに見ていたら近くから「あったあったこれこれ! 言われれば確かにそんな気がする」みたいな意味不明な声が聞こえてきて、何も知らない私は「そんな有名な車なのか?」と疑問に思ったところ、よく見れば車を載せてある台に答えが書いてありました。

これは元SMAPの香取慎吾さんがペイントした車なのですね。どちらかというと作品の存在よりアーティストの存在のほうが大きかったりしますが、これはこれでアートな夜には話題性に貢献してくれたのでしょうね。

今年もヒルズの展望台へ続く大屋根プラザではサントリーウイスキー「響」 ART OF BLENDINGが開催されていました。飲む人も飲まない人もその香味をゆっくりと楽しみながらライティンググラスの美に酔いしれる期間限定アートラウンジの出現。

私などアルコールは基本的に飲めないのですが毎年このウイスキーの香りにはやられてしまいますね。自分が生まれた年の香りはどうか...なんて探すのも面白いですし、ライティングされたグラス以上にそれを見に訪れた人々が目を輝かせる姿も純粋に美しい。ここだけはなんだか大人な時間が流れているようでムーディーな空間です。日本人より外人さんが似合うのは言うまでもありませんでした。

よく分からないアートというのも結構あります。上の写真は昨年も参加されていたので記憶に新しい、偏光フィルターを使ったディスプレイアート。テレビの画面の表面から偏光フィルターを剥がし、手に持てる魔法の眼鏡のようにそのフィルターを使ってのぞき込めば、フィルターを通過した光だけが映像として目に見えるというシンプルにして不思議な現象を木枠のトラス内で見せているから余計に不思議な光景。

恐竜やロボットのようなオブジェも場内のあちこちにありました。多分有名アーティストが手がけているのでしょうが、このイベント以外ではなかなか使い道や展示の場が想像出来ない作品ですよね。恐竜公園とか恐竜博物館とかにありそうな気もしますけど。

たった4分33秒のためにこの人集りは30分以上前から出来ていました。高橋灯さんというダンサーの方がステージ上で一人で踊る...。その時点で私は俯瞰気味に上から覗き込むように見ていましたから間近で堪能する事は出来なかったのですが、後になってこの方のダンスをYouTubeで検索したところ、なんとも奇妙な体の動きの連続でその注目度の高さの理由が分かった気がしました。

時間帯によってはこの場で ”光る人形” のショーがあったりしたようですが、出来る事ならオールナイトのこの日くらいは絶え間なく何かしらステージをやってくれているとイベント感が増して良いと思うのですけどね。勿論展示物はあったりしますからそれなりに人は集まってくるのですが、せっかくのイベントエリアですから音くらいは出しておいてくれると良いと思うのですけどね。ご近所迷惑とか考えないといけないんでしょうね。

ヒルズ前の庭園には沢山の灯籠が浮かび、ここだけは静かな夜を感じる事が出来ました。ただこれだけ見ると夏の終わりみたいですけどね。

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