Simply mini J

1日5分、その日の自分を振り返る時間を作りなさい。
    昔そんな話をお坊さんから聞いた。

青ヶ島・八丈島・短期集中観光(2)

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All Photo by inos

青ヶ島に到着したヘリコプターは我々を降ろすとすぐさま八丈島行きのお客さんを乗せて飛び立っていきます。エンジンはもちろんローターも回転したまま、まさにタッチアンドゴー。

後になって聞いた話ではこのヘリコプターかなりの飛行能力を持っているらしく、台風のような強風でも飛べるのだそうな。実はこの晩青ヶ島は中身の入っているペットボトルが倒れるくらいの強風が吹き荒れたのですが、そんなのはこの島では日常的でヘリも平気で飛んでくるのだと...。唯一のライフラインですから頼もしくて安心ですね。

「歩いても巡れる島」と言われるくらいコンパクトな孤島ですが、私は迷わずレンタカーを手配しておりました。何故って、この島は距離よりもアップダウンが激しく貧弱な私の脚力では到底対応できないと思ったわけで。だって車だって2速じゃないと登っていかないような信じられない急坂ばかりですからね。

レンタカーを借りるこの場所は唯一のガソリンスタンド。返却時にガソリン満タンはお約束としても、遠目に見てあまり見かけない感じの給油機だけどセルフだったら使い方分からないな? と若干の不安。

私が借りたのはキュートなお尻が見えているクリーム色のダイハツEsse。既に12万キロも走っているわりには元気に走る。島には直線道路が殆どないためスピードも出しませんけど。最高速度は30kmがちょうど良い感じ。

古いわりにサイドウィンドウにはしっかりと “SECURITY ALARM” ステッカーが貼られていましたが、レンタカー屋のおばちゃんには「この島は基本的に鍵はかけなくて大丈夫」とのアドバイス...。

青ヶ島に行ったら多分誰しも一番最初に行く場所がここですね。二重カルデラの特殊な地形を一望できる島の最高地点 “大凸部(おおとんぶ)”。

この絶景が見たくてここまで来たのですから嫌になるまで眺めるのです! ただその絶景を見るためには15分程の激しい登山が待っていました。足下が滑りますから要注意。

カルデラの中にもう一つカルデラがある、それが二重カルデラ。そしてこの大凸部の外側(海側)は断崖絶壁の428メートル。400メートルから急に海ですよ...写真にも撮れません。

一説によれば一昨年流行した映画 “君の名は” はこの島からヒントを得てるとか。まあそう言い始めたら映画のワンシーンに似ているというだけで、あらゆる場所が “舞台” みたいに言われるわけですけど、この地形は他には見たことないですね。

これで東京都だと言うのですから驚きます。住所に番地は無く、東京都青ヶ島村無番地で郵便は届くのだとか。島民全160人だと言いますから無番地でも名前が書いてあれば分かるというわけですね。

私が宿泊した民宿については明日にでも紹介しようと思いますが、レンタカーを借りて最初に向かったのがその民宿です。チェックイン!なんてかっこいいものではなく、食料を頂かないことにはこの島には食べるところがありません。居酒屋が2軒ありますが、そちらは多分漁師さんが集まる雰囲気かなと。

なので島に5軒あると言われる民宿は3食付きが基本。朝のヘリコプターで到着したら宿泊予定の民宿でまずはお弁当を貰って観光に出かけます。

この日のお弁当はこの島ならではのメニュー。島の中心にある “ふれあいサウナ” まで足を運びそちらで自分で調理します。

地熱釜と呼ばれる火山の地熱蒸気を利用した独特な調理法が観光気分を盛り上げてくれます。

釜の蓋を開けたら中から網カゴを取り出し具材を入れ、釜に入れたら蓋を閉め、器具の下にあるガスの元栓みたいなコックをひねるだけ。さつまいもが最長で40分、そのほかの具材は10分で食べられます。

その間、やる事もないのでせっかくならサウナに入れば良いのですが、残念ながらこのサウナ16時からの営業らしくお昼時は準備中。具材を入れたまま何処かへ行ってしまうのも気がひけると思っていたところ、なにやら数人の外国人がやってきて徐に撮影が始まりました。

しかも手にしている機材がよく見覚えのあるもので、普段私が仕事で触れることの多いカメラじゃないですか! 話を聞いてみるとドイツの民放TV局で、旅番組でこの青ヶ島を取材に来たのだとか。せっかくなので写真も撮らせてもらいました。その後もあちこちでこのグループと一緒になりました。SNSでも交換させて貰えばよかったですかね。良い番組になるといいけど。

そうこうしているうちに地熱釜の調理が終わり、熱々のお昼をいただきました。一番美味しかったのがこの島で採れたという小ぶりなサツマイモ。ものすごく黄色が濃くてこれまで食べたどの芋より美味しかったです。お土産とか売ってたら買いたいけれど、ここにはそういうお店は無く...。

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