Simply mini J

1日5分、その日の自分を振り返る時間を作りなさい。
    昔そんな話をお坊さんから聞いた。

私の写真の本当のスタートはこのカメラからだった

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All Photo by inos

写真歴は長い方で、小学生の写真クラブから数えたらもう三十数年になるのだけれど、自分専用のカメラを持ったのはだいぶ遅くて専門学校に入ってから。昔から星を撮るのが目標というかひとつのプランみたいに考えていて、その先入観からカメラはフルマニュアルと決め込んでおりました。

でも、学生寮で一緒だった先輩に「最新AFカメラでも星は撮れるよ!」と変な誘惑があって、その頃なけなしのお金で買ったのはMINOLTA α5xiというAFカメラ。就職してからもしばらく使っていたけれど、結局カメラ任せの撮影が多く自分の腕が上がった実感は少なかったです。

その後、購入したのがNikon New FM2/T。当時写真学校では学生に勧めるカメラNo1と言われたモデルだけあって内蔵露出計以外は全て機械式マニュアル操作の基本のキみたいなカメラ。今思えばこのカメラが私を育ててくれたと言っても過言ではないですね。と言っても誰かが何かを教えてくれたわけではありませんけど、仕事に行くときも遊びに行くときも毎日これを肩から下げて歩いていました。スナップ撮影が楽しくなったのもこれを使うようになってから。その代わり徹底して持ち歩きましたよ、ファインダーのアイピースカップがすり減って無くなってしまうまで。

なぜ自分が撮った写真はプロの写真より見劣りするのか、同じようなカメラで撮っているのになぜ自分の写真には主張が少ないのか、何を見せたくて撮るのか、フォーカスはどこ、露出はオーバーかアンダーか、言葉の代わりに写真で何かを表現するという事を共に考え共に歩んできたカメラ。

レンズは20mm、50mm、105mmという極端な3本。おかげでそれらの焦点距離は体に染み付いているので今でも当時のレンズを愛用していますし、逆にいうとその3本を使い続けたくてデジタルになった現在はSONY α7シリーズを使っています。αならマウントアダプターでNikonのレンズがそのまま使えましたからね。

今となってはフィルムカメラのボディはまず使わなくなってしまいました。フィルムそのものの写りも好きですし機械の塊みたいなカメラを手にする喜びもありますが、やっぱり現代にはコストが掛かり過ぎるんですよね。フィルム代もかなり高くなりましたし現像やプリント代なんて尚更。

だからここのところNikonのWEBサイトをこまめに覗くなんてことはしていなかったので気づかなかったのですが、つい先日まで私のFM2/Tを含む全てのマニュアルカメラの期間限定メンテナンスを受け付けていたようです。つまりは古いカメラのオーバーホール受け付け。私のカメラなど古いと言ってもせいぜい25年くらいのものですが、通常はメーカーとしてのアフターサービスは終了しているためモルトなどの消耗パーツが劣化すれば修理不能!となるところ、この期間中であればそれを受け付けてくれていたというわけ!

うっかりしておりました。もしかするともうフィルムを通す事のないカメラかもしれませんが、私にとっては思い入れのある特別なカメラなので、この機会にメンテナンスに出せばよかったと後悔しています。噂によればNikonのOBの方が有志でメンテナンスをするサービスがメーカーとは別であるらしいですが、せっかくならメーカー純正サービスに出したいですよね。2018年末までの受付だったらしいのでもう手遅れですが、案外Nikonのサービスステーションのドアを叩けば1台くらい受け付けてくれないものでしょうかね...。

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