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CP+でプラスと感じた事 2019(7)

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All Photo by inos

嘗て6mm F2.8なんていうとんでもないレンズを生産していたニコンの事ですからどんな製品を作ってきてもおかしくはないですが、今回会場に展示されたのはNIKKOR Z 58mm F0.95 S Noct。

F0.95ですから恐ろしく明るいレンズであることはわかるのですが、単にF0.95という明るさだけに注目するのであれば数日前に掲載したSPEED MASTER 50mm F0.95 Ⅲもありますし、その他にも世の中には似たようなスペックのレンズは存在します。しかしそうした尖ったレンズというのは光学的に無理な設計も多く、絞り開放付近では激しく収差が発生する点は否めません。収差を嫌って2段ほど絞って使うので結果的に明るさはスポイルされるというか。

今回展示されていたNIKKOR Z 58mm F0.95 S Noctは、そうした諸収差を極力排除し絞り開放から実用になるよう設計されたレンズということで、実際の撮影サンプルも全紙サイズくらいにプリントされて展示さておりました。

ボケが綺麗...とかそういう一般論はここでは置いておいて、私が注目したのは上の天体写真。ISO4000とはいえ2秒露光だそうです! 恐ろしやF0.95という感じ。赤道儀未使用で星を点で写すレンズ! この時無理な設計をしているレンズであれば星が点像を結ばず流れてしまうわけですが、この展示作品を見た限りでは周辺のサジタルコマフレアこそ出ているもののメリジオナル方向や色収差は最小限でした。

58mmという焦点距離を考えると天体撮影の場合8秒程度であればだいたい点像で撮影できる計算ですから、となると上記撮影データから逆算するに感度は1/4のISO1000まで下げられますよね。またはISO2000で8秒ならたっぷり露光できます。

極端な例をあげるなら、一般的に大口径で明るいとされるF2.8の同焦点距離のレンズと比較した場合、(F2.8×F2.8)÷(F0.95×F0.95)≒ 8.687となり8倍以上も明るい事になります。これはISO感度を3段高く設定したカメラとF2.8のレンズを8セット準備して撮影した画像を加算平均した結果と、このニコンのレンズ1台で撮影した結果は便宜上同じになる...という事です。見た目からして大変重そうなレンズではありますが、カメラ8台を持っていくことを思えば随分コンパクトであることが分かります。

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