人は育った環境でその人の性格や価値観といった多くの特徴が作り上げられているのだと思います。
近所の牛丼屋さんは月に1,2回利用します。学生の多い街ですからアルバイト店員の入れ替わりも激しいのですが、つい1ヶ月くらい前に立ち寄った時、接客してくれた新人と思われる店員さんは随分印象的な人でした。見るからにひ弱な感じで、手際の悪さも伴い、誰の目にも「使えないなぁ」と思われてしまいそうなタイプの痩せ型男子。
ホール担当でしたから入店するお客さんの接客と、テーブルの後片付けを効率よくこなす必要がある所、お客さんを優先するあまりテーブルのリフレッシュが間に合わずあちこちに食べ終わった食器が残ったまま...。他の店員からもちょっと距離を置かれているそんな空気感さえ伝わってきました。
それでも私が感心したのは、他のどの店員よりも大きな声を出してお客さんを迎え入れ、丁寧に接客し精一杯の努力が感じ取れた事。多少待たされるとか手際が悪いとか、細かいことを言えばそういう欠点もあったかもしれませんが、少なくともお客さん目線で悪い気はしなかったのがその新人君の印象。
それから2,3週間して再びそのお店を訪れた時の事、相変わらずせっせと働くその店員さんが今度は教える立場にまわっておりました。更なる新人君が働くことになったのでしょうね。ついこの前まで頼りなく思えたあの店員さんがもう教える立場です。幾分この前よりも手際も良くなっていますし何より自信に満ちている。ちょっと嬉しくなりました。多分彼なりの教え方で教育していくのでしょうね。
「変わっているね」と思われるのは「普通だね」と言われるよりずっと価値があると思います。