Simply mini J

1日5分、その日の自分を振り返る時間を作りなさい。
    昔そんな話をお坊さんから聞いた。

今回の本命はこれでした

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All Photo by inos

「今のカメラも便利になって楽しいけれど、どこか物足りなさを感じたり、こんなはずじゃなかったと思っている人は多いと思います。押せば写るというのは確かに便利だけれど、その不便さをこじ開けた時に喜びがあるんだという事をぜひ思い出してもらいたいんです。写真は200年前からあったけれど、カメラは1,000年前からあったんですよ。人は穴から覗いて景色を見る事が好きだった。ファインダー越しに世界を見るその感じをカメラを持つ事で感じて欲しいんです」

内田さんから聞けたこの言葉は、我が家からパシフィコ横浜へ1時間半程度を要し、吹雪と呼べそうな悪天候でもCP+へ足を運ぶ理由には十分でした。

FUJIFILMブースには今回最も注目されたFinePix x100が全10台くらい準備されておりました。そのうち手に取って触れるのは8台位でしたが、それでも行列が出来ていて最後尾に並んだ場合約50分程待たないと実機に触れる事が出来ないという人気ぶり。私も辛抱強く並び、お一人様10分までと決められた制限時間の中でメーカーの方にあれこれと質問してみました。それ程突っ込んだ話をしたつもりは無かったのですが、メーカーの方が即答出来ない内容もいくつかあり、それらについては追って調査が必要ですね。

しかしこのx100の仕上がりはとても良いですね。シャッター速度、絞り、露出補正、フォーカス、ISO感度、この5点がいかに直感的に操作出来るかがカメラをマニュアル操作する上で重要なポイントとなるわけですが、シャッター速度や露出補正には専用ダイヤルが設定されていますし、絞りもマニュアルカメラと変わらない絞りリングがありますから操作性は抜群です。ただ残念なのはISO感度がメニュー内でしか変更出来ない事と、フォーカスリングが無限遠で行ききらない(リングが止まらない)事。特にフォーカスに関して指の位置で距離を覚えておくようなスナップ撮影の場合、グルグルといくらでも回ってしまうリングでは結局ファインダーや液晶画面でフォーカス位置を確認しなくてはいけませんから速写向きでは無いんですね。その点SIGMAのDPはカチッと止まりますから良く出来ています。

そしてもう一つ残念に思ったのは、写真には撮り忘れましたが背面にもメニューを操作するためのダイヤルがあるのですが、露出補正やシャッター速度ダイヤルが金属でしっかり作られているのに対し、そちらのダイヤルはプラスチックで出来ていて、クリック動作が軽過ぎるためにいとも簡単にグルグル回ってしまい、希望するメニューを選択しようにも目まぐるしく画面内の表示が移り変わるため操作し辛いです。露出補正のダイヤルなどがかなりしっかりした動きをする為、そのつもりで回してしまうからこうした動作になるのでしょう。今回私が最もがっかりした点です。撮影時にこのダイヤルの使用頻度が低く殆ど気にする事が無ければ良いのですが、ISO感度を変更するのにこれを操作しなければならないかと思うと辛いです。いくつかの項目の中からFnキーに割り当てられる機能もあるようですから是非ともその項目にISO感度のショートカットを入れて欲しいですね。

ともあれ、このカメラは私のようにシンプル操作を好むスナップ派にはもってこいのコンセプトですし、APS-Cサイズのイメージャーながら最短10cmというマクロが撮れる点は素晴らしいと思います。Leica M9 チタンなどを見てしまうといささかこのデザインは古すぎやしないかと思えてしまいますが、フィルムカメラ好きのユーザー層にはストライクな1台ですね。私もいずれ購入する事になりそうな気がしています。

今回のCP+は、例年に無く私は限定的なブースしか見なかったのですが、最近ド派手なPentaxなどはまるでデザイン展のようにカラフルなカメラを並べ壁を作っておりましたし、Eye-Fiカードから直接iPhoneやAndroid端末へ写真を転送する新型カードも展示されていたようです。

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