Simply mini J

1日5分、その日の自分を振り返る時間を作りなさい。
    昔そんな話をお坊さんから聞いた。

冬の代表的な星雲を写す

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All Photo by inos

寒空の下、トラブルに見舞われながら撮影した唯一の1枚。今回はこれを撮りに行ったので結果オーライではあるのだけれど、それにしてもポータブル赤道義という比較的手軽な装備にも関わらず一晩で一対象とはなかなか効率が悪いですね。

天体撮影はわずかな光を長時間露光で溜め込みそれを何度か重ねる事でやっと画になるものですからパシャっとシャッターを切って終わり!な普通の写真の撮り方とは違います。例えば今回のこのショットを仕上げるためには3分露光を12枚撮影していますから合計36分露光で成り立っています。その他露出違いを10枚撮影しており合計すると1時間以上シャッターを開けていた事になります。そりゃバッテリーもすぐ使い切るわけですよね。

α7RⅡはこの季節でも20分ほど露光が続くとセンサーが熱を持ち熱ノイズが急激に上がるため、これ以上撮影するためには冷却のために休憩を挟むか、もう一台カメラを準備しないと無理と最近分かってきました。

というわけで仕上がったこちらの写真、天体好きな方ならすぐに分かると思いますが冬を代表するオリオン座の大星雲(M42)です。また、米粒のように小さな馬頭星雲と、うっすらですがバーナードループも写りました。α に限ったことではありませんが一般的なデジタルカメラは赤外光をカットするIRカットフィルターがセンサーに貼り付けられており、そもそも濃い赤の光はカットされてしまうためこうした赤い対象を撮るのは難しいです。今回は結構写った方かな...と思っていますがどうでしょう。ちなみにニコンもキャノンも天体撮影用にそのフィルターを取り除いたカメラを発売しています。その代わりそれらのカメラは普通の景色はまともに撮れませんけど。

オリオン座を撮ってみて難しさを感じたのは、大星雲(M42)に最適な露出にしてしまうとバーナードループは露出不足、逆にバーナードループが十分表現できるよう露出を上げると大星雲(M42)が飛んでしまう。肉眼ではなんとか見えるか見えないかという大星雲が写真に撮ると白が飽和してしまうのですから、その他の星雲がいかに暗いか!という事ですね。ノイジーになっても良ければ若干露出アンダーで撮っておき後で持ち上げれば良いですがその辺のさじ加減は後処理のテクニックと相まって経験が問われるところかもしれません。

今回は85mmで撮影しましたが掲載した写真はトリミングして仕上げています。おそらくこの画角で撮るのであれば200mmあたりが最適な焦点距離でしょうね。その場合より望遠になる上カメラも重くなるため赤道儀の精度が要求されます。少なくともバラストを使ったドイツ式で組まないとダメでしょうね。更に開放F2.8を1段絞ってF4で使ったとしても4分露光は必須でしょうからいよいよガイド撮影が必要になるかも。

ともかく今回はたった1対象ですが、この仕上がりはまあまあ満足といったところ。

◎撮影地
・静岡県富士宮市 富士山スカイライン途中の駐車場
◎撮影日時
・2019年11月30日 1:30~
◎撮影機材
・SONY α7RII
・SONY FE 85mm F1.4 GM
・Kenko スカイメモS(ポータブル赤道儀)
◎露出時間
・ISO1600 F2.8
・追尾:180秒×11枚

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