Simply mini J

1日5分、その日の自分を振り返る時間を作りなさい。
    昔そんな話をお坊さんから聞いた。

スズキイグニスの走りは侮れない

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All Photo by inos

 

愛車ジムニーの12ヶ月点検の間(と言ってもせいぜい3時間程度)代車としてお借りしたイグニス。普通乗用車としては小ぶりな部類であることと軽規格のジムニーが大きめ設定のためか、軽自動車から普通車に乗り換えたという実感はこれっぽっちもなくて取り回しの良い車です。

スタイリングは賛否分かれるところでしょうがなかなか可愛くて私は好みですね。スイフトよりもコロンとしていて...。2WDと4WDの両設定があるようですがこの形からして4WDの方が何処となく魅力に思えます。雪道をたくましく走り抜ける絵が想像できるのです。

驚いてしまったのはこの車、1,200ccのエンジンを積んでいるのに車重が880kgしかないのです。ジムニーは660ccで1,060kg。排気量が2倍近くあるのに車重が200kgも軽い...。

というわけで想像通りこの車は結構軽快に走ります。とてもキビキビしている感じ。DレンジのままではCVTのもっさり感がストレスですがMモードにしてパドルシフトを多用すればなかなかスポーティ。小さくて元気の良い車が好きな人にはうまくマッチするんじゃないでしょうか?これでマニュアルミッションの設定があればコアなファンが増えそうな感じ。

ジムニーから乗り換えた直後はハンドル操作に対する挙動が異なって少し気を使いました。いえ、どちらかというとラックアンドピニオン式のイグニスが一般的でボールナット式のジムニーが特殊なんですが、一言で言ってしまえば鈍なジムニーに慣れていると非常にクイックなステアリングに感じます。最小回転半径もかなり小さく小回りが効きます。

一般道を走行中に気付くのはロードノイズの大きさ。あれ、普通の車ってこんなにロードノイズって聞こえるんだっけ?と思うくらいゴーゴーとタイヤが転がる音が耳障りです。その点は一般的なモノコック構造のこうした車の宿命ですね。ジムニーはシャーシとボディーが完全に分離しているためロードノイズがかなり少なく快適です。その代わりエンジン音や駆動系の音が大きいですが。

また、エンジンの振動の少なさはなかなかなものですね。3気筒のジムニーとは比べるまでもないですが4気筒の中でも低振動だと思います。今時の車は皆これくらいの水準なんでしょうか。

車内は特別変わったものではなく可もなく不可もなくと言ったところ。必要にして十分なレイアウトと質感。ドリンクホルダーがドアポケットとセンターコンソールの2箇所にある点はジムニー乗りなら羨ましい点でしょうか。どちらかは小物入れとして使えますからね。

車内スペースを考えれば車中泊こそ難しい車だと思いますが、それでも4ドアという点はかなり実用的です。本革シートは有っても無くても良いですが、ファブリックのようにスレて綻びたりしないでしょうから良さそうですね。

足回りはスポーティーで固めではありますがこれが今時の車の標準でしょう。ちょっと路面の悪い道を走るならジムニーの方がソフトでずっと快適だと思います。ただ、歩道を乗り上げてコンビニの駐車場に入るようなシーンではリジッドアクスル式のジムニーは酷い横揺れがありますがイグニスは普通にトントンとこなします。平均点は随分高いと思います。

それから私がお借りしたイグニスはハイブリッドカーでした。このサイズの車でハイブリッド?と驚きましたが、スズキイグニスはグレードを問わず全てがマイルドハイブリッドカーなんですね。プリウスなどのハイブリッドと違いこちらは停止状態からの発進などでちょっとだけエンジン駆動を手助けしてくれるというもの。発電機がそのまま駆動用モーターを兼ねるアレですね。

ところがその動きは実に自然で、アイドリングストップ状態からの発進はエンジンが停止している事を感じさせずアクセルレスポンスは良いですし、またその後いつエンジン始動したのかも全く気づかないほど。その点はプリウスがモーターからエンジン駆動に切り替わるよりも自然かもしれません。

スズキのマイルドハイブリッドはトヨタ車などに比べれば申し訳程度のハイブリッドで、30km/lを超えるような燃費が期待できるものではないですが、多少の燃費向上と、何よりアイドリングストップによる静粛性とそこからエンジン始動までの自然な立ち上がりはかなり評価できるものと感じました。

ジムニーにもマイルドハイブリッド機能、是非搭載してほしいものです。

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