Simply mini J

1日5分、その日の自分を振り返る時間を作りなさい。
    昔そんな話をお坊さんから聞いた。

北海道の真ん中に降り立つ(5)

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All Photo by inos

ドラマ ”北の国から” で五郎さん、純くん、蛍ちゃんが暮らす石の家にやって来ました。今回の北海道旅行1番の目的地がここでした。

私自身以前一度訪れた事がありましたが、現在BSで北の国からが再放送中ということもあり全話を通して見ている関係で再び訪れてみたいと思っていたのでした。

ドラマ ”北の国から” は確か1981年から放送が開始されスペシャル版の最終話が2002年に終了だったはずですから、今の若者にはそのタイトルすら知られていないかもしれませんし仮に内容を見たところで描かれている時代が違いすぎてその全てに共感できるものではないかもしれませんが、団塊の世代とその子供である私くらいの世代には非常に心に響くストーリーで、正直今もなおそれを超えるドラマは生まれていないと思うくらいです。

今回も第一話から通して見ていますが既に何度涙したことか...。ただ涙が出るだけなら現代ドラマにも珍しいことではありませんが、北の国からが特別に感じられるのはストーリーが凄いだけでなく、見終わってから自分の考えや生活や世の中についてを見つめ直す、一言で言えば自分に置き換えて考えさせられるところだったりするんですよね。

現代ドラマは見ている人を飽きさせないよう(視聴率がとれるよう)短くシーンが切り替わりますし、内容も先読みできないくらい複雑になっていますし、常に何かと闘うような激しいシーンの連続で隙がないくらい良く出来ているのですが、見終わった後「あー面白かった、あー感動した、あー凄かった」というようにそのドラマに関する感想は残っても、それを自分に置き換えて明日からの生き方を見つめ直すような影響力までは感じないんですよね。

北の国からは倉本聡さんが伝えたかった事をドラマを通して形にしているようで、見ているこちらがそれが何なのかを考えさせられる...そんな気がします。

そうか主人公の五郎さんはここで北海道の冬を過ごしていたのか...と言っても内容的にはフィクションだからして本当に暮らしていたわけではなくあくまで撮影用のセットなわけですが、それでもここを訪れる人の多くはこれを見て共感し自分が主人公になった気分で目に焼き付けて帰るのだと思います。ここに来たら五郎さんに会えるんじゃないか...そんな気さえしてくるのもまた私だけではないはず。

石で作られた家ですから雪や風にはかなり強いのだと思いますが、それでも放送終了後20年近く経過していますから屋根のトタンなどは部分的に貼り替えられており老朽化は否めませんね。管理のおじさんに話を聞いたところこうしたセットの修復は倉本聡さんが開いていた富良野塾の卒業生が有志で行っているんだとか。

冬は雪が多いのでここまでは来られないようですから実質これが見られるのは3シーズンという事になりますね。この日も次から次へと見物客がひっきりなしに訪れていました。家に上がる事ができるのでちゃぶ台の前に座ってみたり石のお風呂に入ってみたり(お湯はありません)、皆思い思いの視点でここに来た実感を味わっているようでした。

これから10年20年とこのドラマが日本人の心に残り、この建物もまた次の世代へ言い伝えられる存在であってほしい、心からそう願いたいですね。そして私がドラマのストーリーを忘れた頃もう一度全話を見直した時、再びここに来てみたい...そう思うでしょうから、その時までこの形のまま残っていてほしい。それもまた私の願いだったりします。

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