Simply mini J

1日5分、その日の自分を振り返る時間を作りなさい。
    昔そんな話をお坊さんから聞いた。

尾瀬18kmトレッキング

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All Photo by inos

尾瀬、正確には尾瀬ヶ原と呼ばれる湿地帯を訪れるにはハイシーズンである今はマイカー規制が実施されているため最寄りの駐車場まで車では近づけず、東京方面からだと一番メジャーな尾瀬の入口となる鳩街峠から約12kmも離れた場所にある駐車場に車を停めバスもしくはタクシーで移動してようやくトレッキングスタートポイントに到着する...そんなルール。

早朝からの行動で混雑を避けることが出来たため朝8時にはタクシーに乗れ順調にトレッキングスタート。とはいえいきなり湿地帯が目の前に広がるわけではなく、開始早々登山道のような急坂を3kmほど下り高低差にして200メートルほど降りたところがようやく湿地帯の入り口となります。下りとは言え前日の雨で足元がぬかるんでいましたからバランスをとりながら歩くだけで疲れてしまいました。残念ながらその道中は写真を撮っておらず、上の写真は既に湿地帯に突入してからのもの。

雨男の私がどういうわけか晴天に恵まれたのは幸い。朝の大自然は本当に気持ちが良いです。

湿地帯のトレッキングというと長野県は霧ヶ峰高原にある七島八島を歩いたことがありますが、あちらは湿地帯を周遊するようなコースだったのに対し、尾瀬は湿地帯の中の一本道をひたすら歩く感じ。はじめのうちは牧草地帯のような感じでしたが先に進むにつれ徐々に水がひたひたになってきていかにも湿地帯な感じを味わえます。ただここの水はわずかでも流れがあるので透明度が高く綺麗な水でしたね。

水芭蕉で有名な尾瀬、それもまさに今がシーズンとくれば十数キロにも及ぶ遊歩道はご覧の通り長蛇の列。それでもこれを撮ったのはまだ比較的空いている時間帯だったんですけどね、午後にはかなり人が増えました。

驚いたのは歩荷(ぼっか)さんと呼ばれる人の存在。山小屋へ荷物を運ぶことが仕事とは言え、実際目の前に現れるとその荷物の量に圧倒されます。調べてみたところ少ない時で40〜50kg、多い時は100kg以上を担いで運ぶのだとか...。私など今回の距離を歩くだけで限界を感じるのにそのタフさには目が点になります。

どのコースを歩くかにもよりますが、今回我々の目標は尾瀬の中を軽く1周するルートで全行程で18kmくらいありますから無理は禁物。木道の途中であまり立ち止まっているのも迷惑になりますから、休憩ポイントがあったらできるだけこまめに休むようにします。湿地の中は比較的平坦であるため体力的消耗は少ないのですが足が痛くなってしまいますからね、皆同じように休み休み歩いているようでした。

あちこちにある水たまりのような池。見たところ深いところは数メートル位ありそうな場所もありました。そういった池の中に浮島のようなものがプカプカと浮いているのですが、その名の通りこれは浮島であり水の上に浮いているだけですからうっかりそんなところに足を載せようものなら深い水の中に沈むことになるでしょう。基本的には木道以外に立ち入ってはいけないのだと思いますが、バランスを崩して湿地帯に足をついてしまうこともあると思うんですよね。そんな時運悪く浮島の上だったら...。

話には聞いていたけれど実際にこの目で見たのはこれが初めての水芭蕉。例年ですと5月下旬から6月初旬が見頃と言われているようですが、今年は少し早めだったようで6月5日の時点ではもう散っている花のほうが多いくらいで、日差しの関係なのか時間帯によって木陰になるような場所だとか、水の流れが早いような場所はなんとかまだ見られる感じでした。

写真で見ると ”カラー” という花によく似た水芭蕉ですが、実際は随分大きな植物で、花を取り巻く葉に関しては大きいものは50〜60cm位あるんじゃないかと思うくらい、それも艶がありかなりしっかりしているため巨大なチンゲンサイのよう。これだけ存在感があるので遠くから見ても「あ、あの辺りは水芭蕉の群生だ」と分かるくらい。

尾瀬ヶ原の中にはいくつかのポイントに山小屋があります。オールシーズンとは思えませんが少なくともハイシーズンの今であれば営業をしていて、カップラーメンだとかちょっとしたお菓子だとか飲み物はそこで購入することが出来ます。勿論仕入れは先ほど紹介した歩荷(ぼっか)さんが運んできているものなので数に限りはありますよね。お値段も当然お高いです。

山小屋の庭にはちょっとしたベンチやテーブルが並べられているので、各々持参したおにぎりやお弁当をそこで食べることが出来ます。木道の途中ではなかなか食べることが出来ませんからね、休憩場所があるとは言ってもスペース的にそこまで広くはありませんからこうした小屋を活用させてもらうのです。予約を入れればここに宿泊することも出来るようですから、日の出とともに靄のかかった尾瀬を楽しみたい!という人はそういうプランを考えると良いのかと思います。

水芭蕉だけが尾瀬の楽しみ方ではありません。その他にもいわゆる高山植物のような花があちこちに咲いています。ただ、標高1,500メートルくらいという高地ですから春の訪れは遅く、この時期ではまだ緑の植物は少ないように感じました。7月や8月に入ればニッコウキスゲなども見られるようですね。

一部ではありますが高電圧鉄線で囲われた植物なども見受けられました。恐らく貴重な植物を保護する目的なのだと思いますが、悪い人間から守るものなのか動物から守るものなのかはちょっと分からなかったです。ただ突然木道脇にそうした物が現れるので、知らずに子供が触ってしまうようなこともありそうですけどね、大丈夫なんでしょうか?

この日は朝8時くらいから15時くらいまで述べ18kmを歩きました。自転車なら楽勝なのですけどね徒歩で18kmはかなり大変でした。日焼けクリームを塗り忘れたので腕や首も真っ赤になり...。

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