Simply mini J

1日5分、その日の自分を振り返る時間を作りなさい。
    昔そんな話をお坊さんから聞いた。

念願の猿島へ渡る(2)

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All Photo by inos

たった10分の船旅とはいえ秋晴れの穏やかな海を満喫した後は無事に島にたどり着けた事に感謝しつついよいよ猿島探検に入ります。

しかし振り返れば今乗ってきた船を先頭にたくさんの人が行列を成していますが、帰りは我々もこの列に並ぶのかと思うとちょっとぞっとします。

探検と言っても観光客がじゃんじゃん渡ってくる島ですからね、遊歩道はしっかり整備されていて小学校の遠足みたいです。船が到着した直後はどどっと何百人もの人が同じ道を歩き始めるため最初のうちは他の人に迷惑が掛からないよう自分のペースで進みます。

昨日の日記にも書いた通り猿島はもともと戦時中に日本軍が砲弾を隠したりしていた島ですから、いまでもこうして格納庫の跡が生々しく残っていたりします。昔ならこうした光景を見るだけでも当時の恐怖が蘇るという人もいたかもしれませんが、最近ではミュージックビデオや映画の舞台として使われることが多そうです。

光の差し込み方が綺麗なので、それだけで非日常な雰囲気が出るんですよね。

島は多少の高低差があり息を切らすほどのアップダウンではないまでも曲がりくねった階段を上ったり下ったりしながら進みます。分かりやすい道になっていない理由は、戦時中に敵が攻めてきた時に少しでも混乱させルートを読まれないようにするためでしょうか。

階段を上りきった所には展望台とされる建物が現れます。現在は展望台は閉鎖されており立ち入ることが出来ないものの、少し開けたこの場所であれば横須賀方面を一望する事が出来ます。遠くに見える景色はやはりリゾート地のようですね。

島は歩いて回っても15分もあれば一巡できると思いますが、そんな狭い島の中に少なくとも3つのトンネルが存在しました。大きなものから小さなものまでスケール感は様々でしたがどれもレンガ造りでしっかりしたもの。

今は照明が設置されているため自前のライトなど必要はありませんが、昔はこのトンネルの中で敵を待ち受けて銃殺したりしていたようです。そういう意味ではちょっと怖い場所です。

整備された順路が高い壁で覆われているのは、これも敵が簡単に攻めてこられないようにするためか、逆に敵が攻めてきたら一方向にしか移動できないようにするためでしょうね。今はすっかり植物に覆われてこれはこれで凄い景色です。

戦時中の爪痕ばかりがこの島の特徴ではなく無人島というだけあって無法地帯と化した荒々しくも見える植物達がまるでジャングルのように生い茂っています。

通路から上を見上げればもう空さえも覆いつくす勢い。この木々の成長っぷりはどちらかというと沖縄やその周辺の離島みたいですね。とても神奈川県とは思えません。

何かのイベントのために人工的に装飾を施したかの如く大きな木の幹に蔦や他の植物が絡みつき自生した結果、他では見たことがないようなシルエットになってしまっています。こうした木々によって光が遮られるため、日陰は少し寒いくらいでした。

いやぁそれにしてもこの島は木漏れ日が綺麗に見えます。

島の一番低い場所まで下りてくると海辺まで続くちょっとした広場が現れました。ここだけはなんだかホッと一息つける場所で、訪れた人は皆記念撮影をしたりぼーっと遠くを眺めたり。

島に滞在した時間は1時間か1時間半くらいのものでしょうか。特に時間制限が設けられているわけではないのでもっとゆっくりする事も出来たんですけどね。いかんせん船の時間が1時間おきなので1本見送ると1時間待ちになりますから、桟橋に到着していた船に慌てて乗り込むことになりました。

予めしっかりプランニングしていれば島で釣りをしたりバーベキューも楽しめるようです。ただしキャンプは禁止されているんじゃないかと思います。基本的には宿泊の出来ない島ですからね。中には隠れて野宿する人もいそうですけど。

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