Simply mini J

1日5分、その日の自分を振り返る時間を作りなさい。
    昔そんな話をお坊さんから聞いた。

デジタルなりの良さを活かしてみる

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All Photo by inos

少し前のエントリーでこの写真を使ったのだけれど、実はこういう写真にも工夫をしていた...という種明かしを少し。

いつものようにDP1のRAWで撮影した写真なのですが、もしこれをJPEGで撮ったとしたら、薄曇りの昼間ですから手前の被写体を潰さない程度に露出を決定すれば画像になった空はほぼ真っ白に飛んでしまいます。最近のコンパクトデジカメならカメラ内蔵のHDR機能である程度救済してくれるようですし、そういった機能が無いカメラでも複数枚のJPEG画像からPhotoshopやPhotomatixでHDR合成を行う事でも回避出来ます。しかし今回はちょっと違った方法で仕上げてみました。

SIGMA DP1で記録したX3F RAWデータはシャドーよりもハイライトの階調に優れているので今回のケースにはもってこいなのですが、それを現像するソフトの種類によって得意とする調整パラメーターがそれぞれありますから適材適所で使用します。今回はPhotohsop標準のCamera RAWにて地面、人物、自転車までを好みの仕上げに調整しています(写真左)。この時点では空の階調は無視していますから薄い雲のディテールはあまり生きていません。

次にSIGMA Photo Proを使用して空の階調のみに特化した調整を行います(写真中央)。SIGMA Photo ProにはX3 Fill Lightなる強力な調整項目があり、明るさに対しネガポジを反転する作用が働きますから写真中央のように、地面は明るくなるが空は暗くなるという不思議な結果を得られます。勿論今回は空のみに特化し地面の明るさは無視しています。

さて2枚の写真がそれぞれの現像ソフトから出力できた時点で、Photohsopで2レイヤーを重ね、合成方法で比較(暗)を選択します。これにて2枚の写真をピクセル単位で比較し、暗いほうのピクセルが結果に反映されますから(写真右)、地面、人、自転車はPhotohsopで現像した結果、空はSIGMA Photo Proで現像した結果が合成結果として現れます。(写真右)はOLDレンズっぽく周辺減光も加えているので、単純な合成結果では無くなってしまっていますが。

SIGMA X3F RAWデータは専用現像ソフトと組み合わせると雲のディテールを表現するのに期待以上の結果が得られます。それ故今回のように部分的に現像ソフトを使い分けるという方法をとっています。一枚の画を仕上げるのに色々なツールでアプローチする...これってデジタルならではですね。あまりやり過ぎるのは如何なものかと思いますが、フィルムで覆い焼きを駆使することを思えば、やはり可能性は無限大と感心します。

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