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1日5分、その日の自分を振り返る時間を作りなさい。
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生成AI技術を試してみる

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All Photo by inos

先日の日記で少しだけ触れたAdobe Fireflyの生成AI技術について。今日はもう一歩踏み込んでご紹介。初めに断っておきますと、私個人はこうしたAI技術について肯定派でも否定派でもありませんので、今日の内容はあくまでこうしたものの存在を紹介するにとどめたいと思います。

さて、そもそも生成AIとは何か?と言いますと、実在しないものをAIの力で生成する技術という事になるかと思います。そのままですね。正確にはAIとはいえ過去の膨大なデータを元に生成するわけですから ”実在しない” と言い切るのは少々乱暴かもしれません。実在したものを組み合わせて実在しないものを作る技術...そんな感じでしょうか。

今日1枚目に掲載した上の写真は、生成AIによって作られた架空の写真です。関東付近で星景写真を撮る人なら一度は考える撮影スポットの山梨県精進湖の景色に似ていますし、天の川の見え方さえもその場所を連想させますが、星空も地上も望遠鏡も人も水面の反射も、その全てがAIによってゼロから作成されたものです。

先日Adobeから発表されたFireflyはこのクオリティの画像をいとも簡単に作り出せる驚きの技術。

具体的にはどんなことをしているかというと、Adobe Fireflyのページでテキストから画像生成を実行しています。上のスクリーンショットは1枚目の画像を生成した際のものですが、画面下のプロンプト入力欄に「星景写真、天体望遠鏡、人物、湖」という4つのワードを入力し生成を実行すると条件に合う4つの候補画像が20秒ほどで生成され表示されます。

自分がイメージしたものと一致しなければ再生成も可能ですし、さらに条件を追加して追い込んでいくこともできます。例えばカラーやライティングを指定したり、手持ちの写真をアップロードして参照画像として使うことも可能。

驚くのはその生成画像のクオリティ。プロンプトとして入力する文言のチョイス次第ではあり得ないような画像が生成される場合もありますが、自身の要求を分かりやすい言葉で簡潔に入力してあげればかなりの精度でそれを画像として出力してくれます。

「本、数冊、影、窓、スマートフォン」と入力し画像生成したのが上のスクリーンショット。

その中から一つをピックアップしてみたのがこちら。本当は実在しない場所、実在しない窓、実在しない本とスマートフォン。そのどれもが光の方向や影の出方までが統一感を持ち、さも本当に見ていた景色かのように描かれています。

窓ガラスの汚れなど作ろうにも作れないレベルの完成度。よく見ると雨戸は一般的に窓ガラスの外側にあるもんじゃ? というツッコミも出来ますが、海外ではこれが普通かもしれませんし。

こうなってくると色々試してみたくなるのが人間のさが。「畑、野菜」と入力して生成されたのがこちら。

ズッキーニとニンジンは収穫時期が違うからハウス栽培でもない限りこういう組み合わせにはならないのでは? という疑問もありながら、予備知識なく1枚の写真としてみた場合には実際にこうした風景の中で収穫物を撮影した写真のように受け取る人がほとんどだと思います。

これで物足りなければ、「畑を耕す人」とか「作業中のトラクター」みたいなワードを追加すれば背景に人やトラクターが加わるでしょうし、「雨の中で」とすれば天候も変えられます。

さて、触りだけ紹介してきたAdobe Firefly。生成AIの技術は現時点でもこれだけの精度を持っており今後更なる進化を辿る事は誰の目にも明らか。

私のように写真を趣味とする人やそれで生計を立てている人からすればこうした存在は諸刃の剣となり得るもので、上手く使えば作品性の向上に繋げたり利益を産んだりもするでしょうが、使い方を間違えば信用を失うばかりか自分自身の存在意義さえ失う事になりかねません。

”コンテンツ” と呼ばれるものの多くが作者の意図より需要の大小で評価される傾向にある点を考えると、何度を足を運び最高の一瞬をとらえた本物の写真より、それを超える実在しない景色が求められる状況は十分に考えられます。

私個人の考えはこうです。コンテンツとは人にイメージを伝える手段であり本物を忠実に再現出来るものではない。私が撮っているような写真でさえそこにはレンズのボケを強調していたり、色を調整していたり、時には不要なものを画面から削除している事もある。だから本物というのは写真でさえ伝える事のできない目の前に広がる今の景色以外には存在しないのです。

だからコンテンツと呼ばれる表現の手段は、それを見た人に与える事の出来る ”本物をイメージするためのヒント” に過ぎない。たとえそれがAIによる生成画像だったとしても、それを見た人が本物をイメージできたのなら、それは立派にコンテンツとしての役割を果たしているという事でしょう。

ただもし私がこうした技術を使って生成した画像をブログに掲載していくとしたら、その時ははっきりとその事実を注釈として書いていこうと思います。

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