Simply mini J

1日5分、その日の自分を振り返る時間を作りなさい。
    昔そんな話をお坊さんから聞いた。

名前も知らない彼らのもとへ

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All Photo by inos

 

隣の部屋に住んでいる人の名前も知らないのが都会暮らしの日常で、人気(ひとけ)の少ない路地を後ろから誰か歩いてきたらストーカーと思うような時代に、電車に乗り込んできた外国人の青年二人に改まった口調で「隣座ってもいいですか?」と声を掛けられては、私も徐にヘッドホンを外して拍子抜けしたように「はいどうぞ」と返答しました。

その後も気さくに話し掛けてくる彼は、1年前に日本にやってきて2週間前に八王子の高尾から吉祥寺に引っ越してきたばかりだと教えてくれて、私が休みの日には何をしているのかとか、何処の駅で降りるのかとか、たわいもない話だけれど、きっとそれは彼らが日本人から学んだ話し方のルールで、相手に失礼のないよう言葉を選んでいる空気が伝わってきました。

今思えば、青年の名前も出身も何処へ行くのかも聞かないまま、たった1区間の短い会話で私の最寄り駅に到着してしまったわけですが、本当は彼らよりも私の方が得るものが多かっただけに、どうしてあのまま彼らと行動を共にして、もっと色々な話を聞いたり色々な場所を案内したりしなかったのか、悔やまれるところです。

またいつか隣の駅から電車に乗ってくる彼らに会える事を信じて...。

 

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