新潟駅で新幹線の運行再開を待っていた時に鳴った電話。FUJIFILM SQUAREから「内田ユキオさんのトークショーは中止になりました。」そんな内容が告げられたのは、忘れもしないあの大惨事の翌日。

早いものであれからもう4カ月以上が経過したのですね。時が過ぎた事で何かが戻ってくる筈もありませんが、人々の心が少しずつ穏やかになりつつある事を、延期され今日行われたトークショーの実現で実感しました。

私にとって内田さんは、目標では無く、尊敬とも少し違う、ファンという意味合いでもなく、ただ、カメラを持って目の前の景色を見渡し、そしてそれを写真という手段を使って誰かに伝えようと考えた時、いつもは気付かないような発見に感動したり、そこに込める気持ちにひたすら拘ってみたり、そもそも写真を撮る意味って何だろう．．．なんて考えるところに凄く共感を覚える写真家さんで、私なんかとは土俵が違う事は重々承知ですが、なんとなくこれからも同じ方向を向いていけそうな、勝手ながら身近に感じる方です。

今日はFUJIFILMのイベントでX100に関するトークショーでしたが、振り返ってみればX100に限定した話ではなかったところも内田さんらしさと言いますか、会場を出たらなんだか写真を撮ってみたくなるような気持ちにさせられるのは独特の世界観ですね。実は私もその後の予定をひとつキャンセルして写真撮影に夢中になっておりました。

トークショーの内容は私の言葉では到底伝えられるものではありませんから、是非次の機会にでも会場に足を運んで頂くとして、写真が好きな方には先月末に発売になったばかりの THE FinePix X100 BOOKという本を読んで頂きたいですね。内田さんが書き下ろしたそのページを読み進めるうちに、きっと共感出来るエピソードが見つかる事と思います。