Simply mini J

1日5分、その日の自分を振り返る時間を作りなさい。
    昔そんな話をお坊さんから聞いた。

映像に上を求める理由

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All Photo by inos

本日より幕張メッセでInter BEEが開催されています。

忙しすぎて写真が撮れていませんし、機器の説明に追われていて1つのブースも見れておりませんが、会場全体に漂う空気は確実にHDを超えた高解像度映像へとシフトしていますね。HD化の波というのは今年の夏の地上波デジタル放送への切り替えと共に過ぎ去っていますから、もはや放送レベルの解像度に留まっている必要は無いわけですね。ただ、EOSムービーに代表される、民生用カメラの高画質化はプロ用ムービーカメラの行き場に影響を及ぼしている事も確かです。アナログの時代には民生用機器とプロ用機器では回路設計や部品の精度がクオリティに直結しましたが、デジタルになってからは機器の価格差程出力結果に差が出ないというのが正直なところです。だとすれば民生機とプロ用機器の違いとは何なのか?高い機材と安い機材の差は何なのか?疑問が出てくるのは当然です。

例えばそれをオーディオに例えて考えると、CD音源をmp3やAACに変換したところで、音楽を楽しむぶんにはそのクオリティ差が大して問題にならないように、また、それを写真に例えれば、量販店で安売りしている1万円のコンパクトデジカメとハイエンド一眼レフカメラで撮った画像が、サービスプリントサイズで比較するぶんにはクオリティ差は微妙なように、”普通に使うぶんには” ローエンドモデルでも十分なクオリティが確保されている時代です。であるなら、更なる上が必要な理由がどこにあるのか?

オーディオであれば、96KHz 24bitでサンプリングされた音源をなるべく劣化なくエフェクトやダウンミックス処理を行えるように、写真であればRAWファイルで撮っておくことで後々その加工の幅を広げられるように...全ては途中の処理段階での劣化を最小限に抑えるための対策と言えそうです。つまり、現状で加工を必要としないような映像コンテンツは既に機器が十分なスペックをカバーしているということになります。

才能あるクリエイターが予算を最小限に抑え制作プロセスに様々な工夫ができる時代が到来したのですから喜ばしい事です。

4K、RAW、Log、Hi-speed、HDR、これらが今後のプロの現場でのキーワードであることは間違いありません。

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