Simply mini J

1日5分、その日の自分を振り返る時間を作りなさい。
    昔そんな話をお坊さんから聞いた。

これからはバッテリーが肝

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All Photo by inos

先日ラスベガスで行われたCES(家電エレクトロニクス展)で、コンピューターメーカー各社からスマートフォンやそれに類似する端末が次々発表されました。

 これはApple iPhoneの勢いに歯止めを掛ける目的での対抗商品という意味もあると思いますが、私はモバイル端末に求められるこの時代の必然的な答えのような気がしています。

日本で一昔前(既にこう呼ぶようになった)に普及し始めた頃の携帯電話は、電話機能しか無い根っからのビジネスツールで、カタログスペックで各社の比較をするなら ”登録出来る電話番号が300件だとか500件だとか”、”バッテリーが何分持つか...” くらいのものでしたが、その後、メールが出来るようになった事で、携帯電話というツールが ”会話” とは別のリアルタイムなコミュニケーション手段として一般家庭にも深く浸透するようになりました。その後ディスプレイがカラーになったり、カメラが付いたり、音楽が聞けたりと、電話以外の部分が急速に進化している印象が強いです。

丁度その頃、パソコンと携帯電話の間くらいに位置する手のひらサイズの情報端末としてPDAが流通しました。しかしこちらは携帯電話のように勢いづくことはなく一部の需要を埋めるアイテムにとどまり、先日大手量販店で取り扱い状況を伺ったところ、店員さんでさえ ”PDA?” と首を傾げるくらい、死語に近い存在になりつつあるようです。PDAは情報端末としては十分な機能を持っていたと思いますが、どのメーカーも標準では外部との通信手段が無く、どうしても通信が必要ならば携帯電話とは別にPCカードスロット型のPHSなどを契約しなければならなかったことで、情報端末としての入り口が細かった点がその後の広がりに繋がらなかったのではないかと考えます。

持ち歩ける大きさで、小さなパソコン程度の機能と性能、そこにリアルタイム通信手段が融合すれば、まさに理想の情報端末。それが現代におけるスマートフォンの存在なのかもしれません。日本の携帯電話も他国には無い独自路線で頑張ってきましたが、いかんせんあの小さなディスプレイとテンキーのみでの操作は、パソコンの代わりを求める事自体無理ですから、iPhoneのタッチパネル操作と同様の方式をこぞって各社が採用し始めるのは当然です。そして操作面だけでなくメーカー固有のOSを採用する携帯電話はサードパーティーメーカーが入り込む余地が無く、”機能はユーザーが追加するもの” という21世紀の家電の在り方は汎用OSの採用が大前提になると考えます。

GoogleがNexus OneにGoogle Chrome OSではなくAndroidを載せてきたのは正直意外でしたが、今後のスマートフォンはAndroid、Win Mobile、iPhone OS、Symbian OSなど、ちょっとどの方向が本命となるのか分からなくなってきました。ITの進化を見守る上でそれがまた面白かったりするのですが。

ただ、モバイルの歴史を振り返ると、これだけ携帯電話が急速進化しているというのに、肝心の電話機能の通話品質を上げようとしないのはなぜか?という疑問もあります。電話回線を使用する限りは通話に使用できる帯域の問題があるでしょうが、例えばWiFi経由限定などの条件付きなら、Skypeに代表されるネット通話を利用すれば音楽をマトモな音で聞くくらいには肉声であっても品質向上が出来ると思うのですが...。

何よりこの手の端末の最重要課題はバッテリーの放電時間の問題です。内蔵バッテリーを使い切ってしまった際に出先で手に入る乾電池ではあまりに容量が少なすぎるのです...。

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