Simply mini J

1日5分、その日の自分を振り返る時間を作りなさい。
    昔そんな話をお坊さんから聞いた。

RAWで救済する

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All Photo by inos

デジタルカメラのダイナミックレンジとフィルムカメラのラチチュードの話は少し前のブログで書きましたが、デジタルカメラのダイナミックレンジを考えた時、デジタルデータとして記録する際のファイル形式によっても答えは随分変わってくると感じる事が多いです。最近はそれだけゆるい気持ちでシャッターを押しているということですが...。

デジタルカメラのダイナミックレンジは、イメージャーが取り込む事の出来る明るさの最小値と最大値の比と言えますから、そもそも記録するファイル形式による画質への影響はダイナミックレンジとは別の物ですが、ここで言うファイル形式とはJPEGやTIFFといったラスタライズされた静止画と、画像にする前のRAWファイルとの比較です。

私はこれまでRICOH GX100から出力されるRAWファイルと、SIGMA DP1から出力されるRAWファイルの二つを扱ってきましたが、RICOHのRAWファイルをPhotoshop Lightroomで現像していた時には、「JPEGよりも調整幅は広いが驚くほどではない」 と言うのが率直な感想でした。恐らくその結果はRAWファイルと言えども、イメージャーサイズが1/1.8インチだったために、イメージャー自体のダイナミックレンジが狭く、調整前のデータが飽和してしまっていたのではないかと推測しています。勿論使用する現像ソフトによっても体感的な結果は違ってくるかもしれません。

しかしSIGMA DP1を使用するようになって、その概念は根底から崩され、もはやRAW以外で撮る事は有り得ないとさえ思えるほど柔軟な調整が可能です。本日掲載の写真は先日MINIのカスタマイズを行っている際の画ですが、私としては ”DP1では初めてのストロボ撮影” を行ったところ、ストロボの発光レベルを一番強く設定していたために激しく白飛びした画像が出来上がりました。発光レベルを調整し直して標準発光より弱く設定することでもう少しまともな仕上がりになるかと思いますが、その時は撮り直す事無く別のショットに移りました。

そしてここからがRAWデータの本領発揮の場。JPEGやTIFFの場合、上記のような白飛びはレタッチソフトでレベルを抑えたところでただのグレーになるだけですが、RAWの場合には2枚目の写真のようにここまでディテールが救済出来ます。イメージャーのレンジが広いのは恐らくサイズが大きいからだと思われますが、機会があれば同じ条件下で異なるサイズのイメージャーでの比較や、ベイヤー方式のイメージャーとFoveonイメージャーの明るさに対する反応の違いなどを比べてみたいところです。私の主観ではFoveonはシャドーよりハイライトに対するレンジが広いような気がしています。デジタル時代になってRAWにはこんなふうに助けられることもしばしばあります...。

今日はRAWデータを救済の目的で紹介しましたが、今後は積極的な作品作りへの応用を紹介できればと思います。

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