近年はテレビドラマの視聴率低迷とかで、各テレビ局も頭を抱え込んでいると聞いています。昔と違い今はテレビドラマが放送される時間に若者が帰宅していないという理由もありそうですが、何よりHDDレコーダーのタイムシフト再生や、インターネット利用に原因がありそうです。

さて、そんなテレビドラマですが私は子供の頃から好きですから比較的幅広く見ているほうですが、近頃感じるのは少しずつ映像のクオリティが上がってきているという事。それもここ数年は1クールに1作品くらいは大型イメージセンサーを使ったカメラが用いられていますね。現在放送されているドラマで言えば、日本テレビ系列の「トッカン 特別国税徴収官」は一般的な放送規格のカメラではなくスーパー35mmセンサーカメラが使われていますね。恐らくあの画の感じではSONY PMW-F3でしょう。実に良い雰囲気で撮れています。私は個人的に大型イメージセンサーカメラの画は大好きです。

これまで放送業界だけが遅れをとっていたのがカメラの世界。3板式とか、2/3インチセンサーとか言われていても、スチルカメラとは比にならないくらいのダイナミックレンジしか確保出来ず、そんな中で国内外のメーカーは争って来たわけですが、良くも悪くもCanonやREDがスチルカメラベースでムービー業界に進出してくれたおかげで、映像業界全体で大型イメージセンサーが注目されるようになりました。この際、後先は関係ありません。どのメーカーもどんどん大型センサーを使っていこうじゃありませんか。小さなカメラを作るなら仕方ないですが、大きいカメラには大きなセンサーを載せましょう。それでダイナミックレンジが広くS/Nも良い高解像度な画が撮れるなら、プロの世界こそ常に上を目指すべきです。ただしIrisを開けすぎて被写界深度を浅くしすぎる行為には気をつけましょう。視聴者は必ずしも深度の浅い画を評価してくれるわけでは無いようです。

もう一つ、是非言っておきたい事があります。それは、大型イメージセンサーカメラ用のズームレンズはまだまだ少ないという事。これが実に良い結果を生んでいます。単玉を使う事でイタズラにズームを使わずに目的意識のしっかりした画が撮れています。ドラマを見ていると凄く見やすいのです。それはどちらかというと映画に近い撮り方。映画の場合は少しカメラを動かしただけでもスクリーンで見ているとものすごく大きな動きになりますから、無鉄砲にズームやパンは使いません。使うとしても凄くゆっくりと．．．。

少し不自由なカメラは、カメラマンの腕が試されますが、そうやって出来上がった作品はやっぱり見ごたえがありますね。