Simply mini J

1日5分、その日の自分を振り返る時間を作りなさい。
    昔そんな話をお坊さんから聞いた。

色々な方法を試してみる

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一昨日作成したフラットフレームを使用して、野辺山で撮影した天体写真の補正テストを行ってみました。

SONY RX1の解放F2.0で撮影した周辺光量落ちの激しい素材を使います。フローとしてはAdobe Lightroomでストレート現像したものをPhotoshopへ送りフラットフレームと合成、均一化された結果に対しトーンカーブで最終的な輝度調整を行っています。上の4つの画像は左上がLightroom現像のオリジナル素材、右上がオリジナル素材と同一パラメーターで撮影したフラットフレーム素材、左下がPhotoshopのレイヤー構成、右下が合成結果です。

レイヤー構成自体は簡単なものでスクリーンショットの黄色い枠のように、ベース素材に対しフラットフレーム素材を重ね合成モードを「除算」に設定します。フラットフレームの輝度次第では合成結果の明るさが変化しますから最上位レイヤーにトーンカーブを追加しフィニッシングのトーンを調整しているというわけです。計算上はあらかじめフラットフレームのセンター付近(一番輝度が高い部分)の明るさを100%(8bit:255)素材としておけば、合成結果後の輝度はセンター付近の明るさで均一化されるはずです。

結果は確かに左上のオリジナル素材四隅の光量低下部分が右下の合成結果では奇麗に補正出来ています。今回使用した素材は右下にうっすらと茶色い雲が写っていたり、天の川を画面の右寄りにレイアウトしていたりするので画面の左側が暗く見えてしまいますが、そこそこ正確に補正できているほうだと思います。

RAW現像ソフトに搭載されているレンズ補正フィルタを使えばかなり近いところまでは追い込めますが、厳密にはレンズ特性にピッタリ合わせる事は難しかったりします。カメラは個体差によりレンズのイメージサークルとイメージセンサーの中心が多少ずれていたりして四隅の光量低下も一定ではなかったりするんですね。例えば画面の左上に対して右下の方が光量低下が激しいとか...。それ故全てをセンター基準で考えられている簡単なソフト補正だけでは正確な補正が難しいというわけです。勿論Photoshopで厳密に追い込んでいけば出来ない事もないですけれど、毎回そんなことはやりきれませんね。そういった点で、今回のように撮影機材そのもので補正用素材を作成するのは非常に合理的です。

ただ、問題が無いわけでもなく、補正された四隅に関してはS/Nが悪くなるという点は否めません。光学的な光量不足を電気的に補正するわけですから当然その部分はノイジーになります。ですからいかにノイズ成分を自然に消せるかがポイントになるわけですが、そうなるとPhotoshopのレイヤーにはRAWデータをスマートオブジェクトとして配置していつでもRAW現像に戻ってノイズ調整が出来るような方法を取るべきです。ただこれをやるにはAdobe Camera RAWで現像することとなり、エンジンは同じでもLightroomで一元管理してしまっている私としてはちょっとやりづらいところであります。

方向性は見えてきましたが、自分にとって最善の方法をもう少し模索する事にします。

コメント

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  1. はじめまして。
    素晴らしい写真拝見しました。
    私もRX1で天体写真を撮ってます。
    ですがブログに載っているような天の川や星雲が写りません。
    設定はiso400.F2.8.SS30秒くらいでポラリエを使って撮っています。
    ネットにあがっている作例を見たらiso1600、SS120秒とかで撮っていますが、そのような設定で撮ったら真っ白になってしまいます。
    もしよかったらご教授願いたいのでメールいただけませんか?

  2. cazmaさん

    こんにちは。書き込み有り難うございます。実はコメントの際に入力頂いているメールアドレスはスパム対策のもので、私にもそのアドレスは届きません(多分)ので、こちらで返信させていただきますね。

    私もRX1で天体を撮り始めたのはごく最近なものですからそれほど詳しくもないのですが、やはり一番は暗い場所に行く事でしょうか。私はそのために野辺山まで行くのですが、標高1,500メートル程で空気も澄んでいますし周囲も本当に真っ暗(鹿が出てくるくらいですからね)ですから、人口光のカブリは少ないです。それでも30km程先の甲府の光の影響は受けますね。例えば東京の空を撮影とかだとちょっと難しいと思います。

    それでもデジタル時代は後処理で何とかなる...という必殺技がありますから、案外絶望的と思える写真も見られるようになりますよ。ただしRAW記録が前提ですね。もしcazmaさんがRAW現像をAdobe LightroomやPhotoshopのCamera RAWプラグインで現像しているようでしたら、トーンカーブを緩やかなS字を描くように調整してみてください。明るいところはより明るく、暗いところはより暗くなりますから明暗差のはっきりした仕上がりになるはずです。それだけではいまいちパキッとしない場合は明瞭度というスライダーを左右に動かしてみてください。ちょっと反側と思えるくらい星がはっきり出てきます。もし他の現像ソフトを使っている場合もトーンカーブ調整はあると思いますから似たような処理が出来ると思います。

    私は最近、ISO1600、SS60秒、F2.8を天体撮影の基準露出にしています。もちろん赤道儀の極軸合わせがピタリといけば、ISO感度をもっと落としてその分長時間露光するほうがS/N的に有利ですが、ナノトラッカーだとそこまでの精度は出しにくいので1600で妥協している次第です。でもRX1は高感度ノイズの面で他のカメラより有利ですからそれでもまずまずの画にはなっている気はしますw

    ちょっと言葉だけでは伝わりにくいかもしれませんので11/1のブログネタとして書いてみますね。もし「そんな事なら知ってるよ!」という内容でしたら申し訳ないですけど...。

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