Simply mini J

1日5分、その日の自分を振り返る時間を作りなさい。
    昔そんな話をお坊さんから聞いた。

この先ビデオカメラは必要なのか?

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All Photo by inos

デジタル一眼レフカメラでムービーを撮る。映像業界では当たり前になりましたが、一般家庭ではどれくらい浸透しているのでしょうか?

一年ほど前までは一眼レフカメラで動画が撮れる...機種があるらしい。というノリで、実際の所注目されたのはEOS 5D Mk2だけでしたが、その頃からNIKON D90だって頑張っていました。今となってはCANONからはエントリーモデルのEOS Kiss、NIKONはハイエンドのD3Sまで、一昔前に液晶テレビでもてはやされた ”フルHD” という言葉が今はデジタルカメラ業界で流行始めています。

ただ、どういうわけか映像業界でちやほやされるのは決まってCANON製カメラで、5Dに続く7Dが今は一番熱いカメラのようですが、恐らくこの2社の温度差の関係にはこれまでのStillカメラの歴史が多少なりとも関わっているような気がします。

カメラ好きの方はご存知と思いますが、CANONは80年代後半にレンズマウントを変更しています。ある意味マウント規格はユーザーとカメラメーカーを繋ぐ生命線であるにも関わらず、AFレンズに最適化するのが目的でフランジバックやマウント径の変更を行い、過去の財産を切り捨ててでも前に進む事を考えた結果が、今の動画撮影にまで影響していると私は考えます。

対するNIKONは、その昔から伝統のFマウントを引き継いでおり、私が愛用しているようなマニュアルフィルムカメラのレンズさえ今のデジタル一眼レフに取り付け可能です。これはユーザーにとっては大変有り難い事ですが、ことレンズ設計者の立場を考えれば非常に苦しい状況が続いてきたと思います。なぜならその昔に設計したFマウント規格は今のCANON EFマウントなどと比べると径が小さいため、その分レンズの設計に無理が生じるのです。

フィルム全盛のカメラであればCANON、NIKONを比べてもマウント規格の違いによる性能差は、驚くほど大きくなかったでしょうが、それがデジタルへと進んだ時、同じ35mmフルサイズイメージャーであっても、テレセントリック特性や明るさを考慮した場合少なからずフィルム時代よりもマウントの違いによる性能差ははっきり出てくるのではないかと思います。

これらが今現在、プロの業界でCANONが一歩先を走り続けている理由に直結しているかと問われれば何とも言えませんが、ちょっと気になっているのは国内メーカーの良い所でもあり悪い所でもある ”他がやったら真似してみる” というノリで、今やコンパクトデジカメでさえフルHD動画に対応しつつあります。これらはイメージャーサイズからして一眼レフと比べるまでもありませんが、プロ用ビデオカメラのイメージャーだって実際は2/3インチという小さなものですから、この先、家庭用ビデオカメラの居場所はなくなる方向だと予想できます。

いろいろ考えていると、なぜこれまで ”写真用Stillカメラ” と ”ムービー用ビデオカメラ” は別々に扱われてきたのでしょうか?そんな疑問は多分、運動会に参加するお父さん方が一番痛感しているはずです。

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