Simply mini J

1日5分、その日の自分を振り返る時間を作りなさい。
    昔そんな話をお坊さんから聞いた。

道具ならなるべく使い手が望むものを

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diary4791

AssimilateさんがSCRATCH PLAYを公開しましたね。無償で使用できる動画プレーヤーという位置づけですが、カラースペースの選択やLUTの適用、ACESにも対応していますし、カラーグレーディングまで出来ますから、どちらかというとシネマやCM制作のオンセット向けツールです。

Arri、Red、Sony、Canon、Phantomといった主要メーカーのCinematic RAW filesからQuickTime、Windows Media、MP4、 H.264、DPX、Open EXRといった汎用ファイルまでをサポートし、 RED Rocketにも対応するようです。あくまでプレーヤーとしての位置づけですからムービーファイルの書き出しは出来ないようですが、ASC-CDL、LUTの書き出しは出来ますから、グレーディングのラフデータとしてDavinci Resolve等への受け渡しは可能でしょう。

これは非常に魅力的なツールの登場ですね。

私も再三申し上げている通り、プロの制作ツール、特に編集やグレーディングに関するソフトウェアに関しては今回のSCRATCHのように無償配布が望ましいと考えます。仮にそれが10万円でも構いません、数百万数千万するプロ用ツールの中ではタダみたいなものです。ソフトウェア1本売って商売をする時代はとうの昔に終わっていて、今これらの位置づけはハードウェアを効率良く使うためのツールですから、そこで小さな商売に拘るあまりハードも含めた前進が望めなければ本末転倒というわけです。

そしてコーデックやフォーマットといった、機材メーカー独自の縛りからは早く開放されるべきです。アナログ、デジタルを問わず、テープを使用していた時代にはある程度機器を揃えて収録する事が一般的だった映像業界も、ファイルベースになった事でさまざまなコーデックを混在で扱うのが日常的です。にもかかわらず、それらのデータを取り扱うツールがビデオコーデックやラッピングに依存しているようではクリエイターが望む制作ツールとしては成り立たないのです。

「ソフトウェアはタダで配布します、その中には各メーカーのあらゆるコーデックを入れておきます。カラースペースもガンマもフィニッシングを意識して最適な環境を選んでください。もし他メーカーのコーデックに変換する事でワークフローが成立するならどうぞ変換して使ってください、逆に他メーカーのコーデックが使いづらい時は我が社のコーデックに変換してみてください。コーデックを変換する時間と画質劣化を嫌うのならメタデータだけで連携させてみてください。調整データと素材メタをそのまま次のシステムに持っていくためのパイプラインを提供します...。」

多分、クリエイターが望むのはこんなツールではないでしょうか? そして今後そういった方向性のソフトウェアこそがワールドワイドスタンダードとして浸透していくように考えます。DavinciにしてもSCRATCHにしても、どこかそんな意欲が伝わってくるのです。ただいかんせんこのSCRATCH、MAC版はちょっと触っただけでかなり不安定なのは気のせいではなさそうですが...。

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