Simply mini J

1日5分、その日の自分を振り返る時間を作りなさい。
    昔そんな話をお坊さんから聞いた。

列車はどんどん速くなるけれど、遠くの景色は今も変わらない

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All Photo by inos

私達の生活に入り込んできたコンピューター機器。スマートフォンやタブレットが今のトレンドだとすれば、50年前ならマイカーはそれに匹敵する存在だったでしょうし、100年や200年前なら馬や牛や犬といった動物だってそういった立場にあったかもしれません。コンピューターと言うと語弊がありますが、つまりは人の言う事を正確に効率よくこなすという意味で考えれば、共通点が見つけられます。

地球上では人間はそこそこ賢い生き物と考えられていて、日々切磋琢磨しながら生活をより便利にしたり、少しでも生活が豊かになるよう工夫してきたわけですが、現代はそれが行き過ぎなくらい進んでしまって、専用品と考えられていた商品がスマートフォンに代わられた事で価値が下がり経営不振に陥る企業が出てきたり、ご近所付き合いで何とか成り立っていた街角商店街がネットショッピングの普及に伴い閉店を余儀なくされるなど、どちらかというとネガティブな話をよく耳にします。今はもはや人が機械についていくのが精いっぱいみたいな状態となり、いつの頃からか似たモノを見つけたらそれらを定量化し比較することで物事を判断するようになりました。

良いのか悪いのかはよく分からないけれど世間的にこちらの方が評価が高いからこれにしておけば間違いない!みたいな判断でモノを選ぶこともあるでしょうし、カーナビが「右に行け!」と言うから右に行くことも多いと思います。

良し悪しが判断出来れば自分にとってオーバースペックなモノを選ばず、その分安く購入できたおかげで美味しいご飯が食べに行けるとか、カーナビは目的地への到着時刻を優先して「右」と言ったけれど、少し遠回りでも左に行くことで一生記憶に残るような素晴らしい景色がすぐ近くにあるかもしれない...。

皆で便利になるよう一生懸命作ってきた社会のはずなのに、気付いたら自分たちが時代の進化に苦しめられるなんてのはそもそもおかしいのです。我々には時代を切り開く力があった、そうやって作ってきた時代に何も歯止めをかける必要はない、これからもどんどん進めていけば良いと思います。だとしたらそこで生きていく我々が時代にマッチした生き方をすべきなのでしょう。

「私たちは超高速で移動する列車に後ろ向きに座っているようなものだ。今という景色は来た瞬間に過去になってしまう、だから誰も未来を知らない。それでも通り過ぎていった景色から次に現れる景色を想像する事は出来るだろう。それを ”大人” なんて言うんだよ」とは何方かの言葉。

便利だからとか、効率が良いとか、世間のランキングが高いとか、皆が使っているとか、よく売れているとか、そういうもので判断することが多い社会だからこそ、自分の意志で判断する。そんな当たり前の事が贅沢に味わえる時代です。

私はこれからの時代ももっともっと楽しい事で満ちていると思います。

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