Simply mini J

1日5分、その日の自分を振り返る時間を作りなさい。
    昔そんな話をお坊さんから聞いた。

私には使いこなせない道具

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All Photo by inos

写真の本質を考えた時、それを追求していくと、カメラの性能とは直接的な関係に無いのではないか?という答えにたどり着きます。

1万円台で買える顔認識機能をも実装したデジタルカメラが量販店の店頭にずらりと並んでいる一方で、オートフォーカスすら持たないライカM9が防犯装置付きのショーウィンドウで50倍もの価格プレートと共にライティングされています。

ライカM9の発表を知った時、正直私もかなり心が揺らぎましたし、今でも可能なら手に入れたいですが、35mmフルサイズイメージャと聞いた時点で、やはり注目したのはサンプル写真の解像感だったり高感度ノイズの出方だったりしたわけで、少なくともフィルムカメラだったM7までは、発表と同時にカタログスペックに比例しているかどうか?なんて事は気にもしていなかったと我に返りました。

何だか近頃はコンピューターのスペックを語るようにカメラの性能が数字的に比較されるようになり、一見、数字が大きければ良いカメラのような気がしてしまいますが、仮にそれが事実に近かったとしても、良い画が撮れるわけでもなければ、自分が何のために写真を撮るのかなんて事を教えてくれるわけでもありません。

私もこれまでフィルム、デジタル共に何台ものカメラを使ってきましたしそれこそ数十万円もするような立派な機材も買いましたが、結局のところ、高価だったり高性能だったりする機材を手にすると、その性能を生かした画作りを心がけてしまって、本来自分が望む画とかけ離れた作品に仕上がってしまう事が多かったように思います。

ライカM9の誕生は、この時代に少しだけ先行した感はあるもののいずれ生まれ来る運命でしたでしょうし、ユーザー側もいよいよ出てきた!という感想を持ったと思いますが、それがフィルムライカのように一生使っていける道具かと問われると、購入は少し躊躇してしまう人もいるのではないかと思います。そこに求めるものがカメラではなく、写真を撮る道具と考る人なら尚更ではないでしょうか。

これは私が貧乏性だからでしょうか、高級なものは欲しいですが、安物のように気軽には使えなくなってしまいます。あ、でも誰かがプレゼントしてくれるなら別です...。

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