Simply mini J

1日5分、その日の自分を振り返る時間を作りなさい。
    昔そんな話をお坊さんから聞いた。

冬の沖縄旅行(8)

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All Photo by inos

斎場御嶽(せーふぁうたき)、東京へ戻ってきてからも頭から離れなくなった名前です。勿論予備知識ゼロ、しかし流石にここは多少なりとも勉強してから行けばよかったと反省した場所。

御嶽(うたき)とは、沖縄の聖なる空間であり祈りの場の事だそうです。沖縄にある七御嶽のなかでも最も格の高い聖地がここ斎場御嶽。世界遺産に登録されている祈りの場ってすごくないですか?

まず入り口の受付で最低限の注意事項を説明するビデオを見なければ先に進むことは出来ません。そして既にこの辺りから他の観光地とはちょっと違うな!という空気を感じるのです。聖なる空間とはどういうものか...。そして青い海だけを想像していた沖縄の印象は長い歴史と文化のごく一部でしかなかった事も。

 

この斎場御嶽について調べていたら、こんな言葉にヒットしました。

「旅とは、不足を補い合うものだといわれています。自分の中にないものを旅先で得る。旅先にないものを訪れた人が手渡す。旅はいろいろな物事をつなげるものでもあるのです。」

なるほどと思いましたね。私から手渡せるものなど何もありませんが、この場所から感じるものは確かにあって、長野の田舎で比較的自然に恵まれて育った私でも、この場で流れて行く穏やかな時間や光や音やゆっくり動いている空気からどこか落ち着いた神秘的なものを得た気がします。ひんやりした空気がそう感じさせたのでしょうか。

当然沢山の観光客が訪れているので静まり返っているわけではありませんが、枯葉の中を鳥が歩いているだけで、ん、何かいる!と、神経が集中しますし、いくつかある拝所の前に立つとなぜか長い時間そこにいてはいけないような気持ちになるのです。それだけでも他では経験のないような特別な存在感みたいなものを感じているのだと思います。

パンフレットなどでよく目にするのがこの三庫理(さんぐーい)と呼ばれる大きな二つの岩。天からの恵みを受け止める安定の場所とされており一際パワーを感じるポイントらしいです。この場所では「気を感じる人が写真を撮るとオーラが写る」なんて言われているそうですが...”写った”。いや、単なるフレアのようにも見えますけど、何枚かの写真にこのような光が写っていました。

今回の旅行では偶然この斎場御嶽が最後に訪れた場所になりましたが、これは本当に正解だったように思います。そんなに長い時間いたわけでは無いのになんだか心が洗われたようでとても気持ちが安らいだ気がするのです。3日間色々な観光地を巡った中でもここはまた次回も訪れたいと思えた場所でした。

普段東京で忙しい毎日を送っていると、仕事だとか私生活だとか何かにつけて自己中心的でそれらが最優先と考えがちです。私などどう頑張ってもこうしてブログを書きながら1日を振り返るくらいが精一杯。岩に向かって邪念を捨て、今自分が生きていること、恵みの中に生かされていることを感じる、そんな美しい時間を1日1分だって考えていないのではないか...。神社仏閣で手を合わせるのとはまた違い、自然の中にそれを感じる場所はそう多くないと思います。

私が名残惜しくもこの旅で最後に見た海。知念岬公園は斎場御嶽から歩いても行ける距離にあります。沖縄は海に囲まれた島。それを言ったら日本列島だって同じはずですが、なんだかここは子供が絵に描いたような海が広がっているのです。同じ日本でもここでしか見られない景色だなと。地球に生まれてきてよかったと...大げさな気持ちにも。

この後はひめゆりの塔へ向かう予定でしたが例によって時間がなくなってしまい今回は見送りとなりました。沖縄に来てひめゆりの塔を見たことがないなんて言ったら怒られてしまいそうです。

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