Simply mini J

1日5分、その日の自分を振り返る時間を作りなさい。
    昔そんな話をお坊さんから聞いた。

50年前の希望は今も引き継がれ

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All Photo by inos

以前から一度見てみたいと思っていた場所へようやく行くことが出来ました。ここが大阪万博の会場だった事は知識の上では知っていても、当時の万博をこの目で見たことが無い我々世代には万博跡地という事よりも ”太陽の塔” の存在のほうがずっと大きくて、この塔を見るために足を運ぶ...そういう人が圧倒的に多いのではないかと想像します。

スマートフォンという文明の利器をもってしてもここへ行くのは少々難しかったです。大阪の電車って東京と違って駅構内に○○番ホームが○○線って書いてない事が多いんですよね。

スマホでルート検索をすると阪急京都線に乗れ!と出てくるので梅田駅でそれに乗ろうとするも、ホームの案内には「京都」みたいに行き先が書いてあるだけで「京都線」とは書いていない...。東京だと「山手線」とか「京浜東北線」とか書かれていて、更に「新宿・渋谷方面」とか書かれているのでそのつもりで大阪に来ると実に難しいのです。路線図が頭に入っている人は良いのでしょうが、京都行きなんだから京都線だろ!と言われても、京都方面に向かう路線が京都線だけとは限らないですから...。

そんなわけで何も知らない子供のフリをして都度駅員さんに確認しながら向かったとさ。梅田駅からだと阪急線とモノレールを乗り継ぐ事50分くらいでここ万博記念公園駅に到着します。

モノレールの窓からも十分その存在を確認する事が出来ました。近づくにつれそのスケールに圧倒されます。これが有名な太陽の塔。いつもの事ながら下調べゼロの私の事ですから、まずは観光案内所のお姉さんに見どころなどを聞いてから入場しました。そしてここで想定外のルールを耳にするのです。「予約はされてますか?」

「ヨヤク?」そう、この太陽の塔は塔の内部に入ることが出来るのですがそれは前日までの完全予約制となっており当日販売はなし!

「ワタクシ、トーキョーから来たんですけど!」と叫んでみたところでルールはルールですからね。入れないものは入れないのです。内部の写真を撮るために15mmの広角レンズまで持参していたというのに何という事でしょう。それでも外観は普通に見る事が出来ます。勿論大人250円の入場料はばっちり取られますけれど。

それにしても大きいです。想像していたより一回りも二回りも大きい。高さは何と70メートルもあり、頭についている金色の丸い部分だけで直径11メートル近くあるそうです。岡本太郎さんの発想も凄いですが、私が生まれるより前の1970年にこれを建築したという事にも驚きますね。

この塔には4つの顔があると言われていて、一目で分かるのは正面のど真ん中、人で言ったらお腹の部分の丸い顔が一番最初に目につくところですが、2つ目は頂部の黄金の顔、確かに生命体に例えるなら一番自然な位置にある顔です。そして3つ目が背中にある緑と黒の顔。太陽の塔の後ろってあまり見たことがなかったので今回後ろまで回り込んでみて初めてこの事実を知りました。どの顔もどこか希望を与えてくれているような印象は恐らく岡本太郎さんが伝えたかった当時のコンセプトなのでしょう。

そして4つ目の顔は博覧会当時この塔の地下に「地底の太陽」と呼ばれる高さ約3メートルもあるオブジェが展示されていたそうですが、博覧会終了後は行方不明なんだとか...。小物じゃないんだからそうそう無くなりそうにもありませんがそんな事ってあるんですね。

私が勝手に思い描いていた太陽の塔はこんなイメージ。建物や木々の向こうにひときわ大きく非日常を感じさせるゴジラのような存在感。

公園のあちこちを歩いてそのように見えるポイントは無いものかと探し1番イメージに近かったのがここでした。手前の広場でサッカーをする子供達、その奥には何かに立ち向かっていきそうな前のめりなモニュメント。この近所に住んでいる人にとっては何でもないような光景なのでしょうが、やっぱり特別な組み合わせですよね。

実際に行ってみるまではだだっ広い公園の真ん中にモニュメントだけが残されていてきっと見物客など私だけだろう...くらいに考えていたのですが、とんでもない人気ぶりなんですね。ひっきりなしにお客さんがやってきて記念写真を撮っていきます。入場券の券売機も6台くらい並んでいましたから繁忙期は相当な集客があるのでしょうね。50年も昔に開催された万博の跡地にいまだにこれだけの人が訪れるというのはちょっと異例な気もします。

今日は生憎の天気で、雨が降ったり止んだり。掲載した写真の天気がバラバラに見えるのはそんな理由で、雨宿りが必要なくらいザーッと降ったかと思うと急に青空が出たりしておかしな天気の1日でした。本当は塔だけでなく場内の象徴的な風景など写真に収めたかったんですが何しろ寒い! 大阪は東京より暖かいだろうと勝手な先入観から薄着で来てしまった私に冬に逆戻りしたかのようなこの寒さは少々厳しかったです...。

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