Simply mini J

1日5分、その日の自分を振り返る時間を作りなさい。
    昔そんな話をお坊さんから聞いた。

成果は少なかったけれど充実していた2日間(2)

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All Photo by inos

今回の撮影では広角レンズで撮るいつもの星景写真以外に中望遠レンズでも挑戦していました。

青ヶ島旅行のタイミングでポータブル赤道儀をナノトラッカーからスカイメモSに移行した事、そして今回から微動雲台を導入した事で、日周運動の追尾精度が上げられ中望遠までをカバーできるようになったのです。手持ちの85mmF1.8はエントリークラスの撒き餌レンズと呼ばれるカテゴリーですが、広角レンズほど非点収差が気にならないのでこうして撮ってみるとそれなりに写りました。F2.8まで絞りましたが色収差はかなり出るので後処理で吸収させている関係上、オレンジ色っぽい星は全て無彩色になってしまうのが玉に瑕です。その辺まで気にする場合は高級レンズを使いなさいという事ですね。

天の川の中心付近、さそり座の左あたりの一番ゴージャスな部分を狙っています。真ん中あたりでひときわ明るく輝いているのは木星。こういう派手な写真は冬の銀河には見られない夏ならではの光景ですね。時間の関係で同ポジ撮影は4枚しか出来ておらずスタックによるISO感度は1600の1/4で400程度となりまだまだ荒れた感じが残りますから、こういうのを撮る時は16枚くらい撮ってスタックし換算ISO100程度まで下げられればもう少しクリーミーな感じに仕上がりそうです。制作プロセスはかなりディープではありますがアウトプットは誰の目にもわかり易い印象的なものになりますね。

課題もありました。今回の撮影もSONY α7RⅡとスマホ用リモートアプリImaging Edge Mobileを使用しましたが、このアプリからカメラのレリーズ操作を行う際はバルブ撮影用のタイマー機能が無く露光時間の精度を出しにくいです。マニュアル操作にてシャッターの開閉を行う場合、開放している秒カウントだけはアプリ上に表示されるためそれを目安に任意のタイミングでシャッターを閉じるのですが、これを時々閉じ忘れるんですよね。上の写真は90秒露光の4枚撮影ですから4枚とも90秒でシャッターを閉じないといけないところ、うっかりしていて100秒を超えているなんてことも...。何しろ私はその90秒の間に直前に撮影したデータのプリ現像作業を同じiPad上で行なっていますから、現像に夢中になっていて気づいた時には...という感じでして。

RAWで撮っているため極端な露出オーバーやアンダーでなければ後処理でどうにでもなりますが、如何せん天体撮影はその後処理で極端にコントラストをいじりますから、各コマのわずかな露光差が大きな差に広がってしまうんですよね。今回はそんなバラバラのRAWからのスタックでしたので平均値を出すのが少々大変でした。

こんなふうに肉眼では見えないようなものが写真にすれば見えてくる...天体撮影の醍醐味はこれに尽きますね。

◎撮影地
・千葉県勝浦市八幡岬公園
◎撮影日時
・2019年4月6日 3:00~
◎撮影機材
・SONY α7RII
・SONY SEL85F18 85mm f/1.8
・Kenko スカイメモS(ポータブル赤道儀)
◎露出時間
・ISO1600 F2.8追尾:90秒×4枚

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