Simply mini J

1日5分、その日の自分を振り返る時間を作りなさい。
    昔そんな話をお坊さんから聞いた。

満足度40%、もう少し何とか

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この私が日曜日の朝から6時に起きるなんて何か理由がないとあり得ないわけで、今日は朝8時半から上映予定の水谷豊監督映画 “轢き逃げ 最高の最悪な日” を見るため、埼玉県の “MOVIXさいたま” まで足を伸ばしたのでした。

私も一応東京に住んでいますので、その映画が見たいだけなら最寄りの映画館に行けば良い話ですが、今回は映画の内容はそれほど重要ではなく、上映される映画館が国内ではT・ジョイ博多に次いで2館目の完成となった特別仕様!”DOLBY CINEMA“ という事で、その効果のほどを体験する目的で埼玉まで足を伸ばしたのでした。

DOLBY CINEMAについて語り始めると細かな仕様があるため長くなりますから、簡単に言ってしまうと通常の映画館の2倍の輝度を実現したHDR映像と、オブジェクトベースの360度音響が特徴。海外ではハリウッドを中心に次第にスクリーン数を増しているDOLBY CINEMAですが国内ではまだ2スクリーンしかないという貴重なもの。それゆえ普通のスクリーンで見る映画の相場1,800円や1,900円に対し追加料金がプラス500円掛かります。

さて、結果はというと、映画の内容に関する詳細はここでは割愛しますが、新規格、新システムで上映された映像コンテンツに対する率直な感想としては、まだまだ日本の映画業界はHDRに向けて動き出したばかりで、システムに見合った作品づくりは出来ていないと感じました。

私は仕事でHDRワークフローについて教える立場にいますから、どちらかというと技術目線で作品を見ており、今回の作品について要所要所でHDRならではの表現が出来ている点は理解できましたが、でも言われなければ少し明るめのSDRのようにも見えてしまう。SDRとHDRを並べて見せれば映像業界の人じゃなくたって違いは分かると思いますが、逆に言うと並べないと分からない程度の差にお客さんは追加料金など払わないだろうなぁと。SDR版なら通常料金で上映しているわけですからね。

そういう意味でシステムに見合ったコンテンツと言えるほどに煮詰まっていなかったなぁと。事実、冒頭で流れるDOLBY CINEMAのデモコンテンツは素晴らしい仕上がりとなっており、まさにシステムを使い切っていると感じさせてくれる刺激的なものですが、映画本編が始まった途端に ”いつもの映画” に戻ったようでそのギャップは非常に残念なものでした。

今回このタイトルと並行してアメリカ作品のアベンジャーズもHDRで上映されている事は承知していましたが、あえてこちらの邦画を選んだ理由はそんなところにあります。ハリウッド映画のHDRクオリティが高い事は初めから分かっていますから、気になっていたのは国内のコンテンツクオリティ。ガンバレ日本。

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