Simply mini J

1日5分、その日の自分を振り返る時間を作りなさい。
    昔そんな話をお坊さんから聞いた。

電動アシストはママチャリ以外にも有効か?

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All Photo by inos

昨日、埼玉で映画を見た後その足で東京ビッグサイトへ移動し春のデザインフェスタに参加しました。今日はその報告をしようと計画していましたがいつもの感じだと3,4日の連載になりそう...という事で日々の出来事とどんどん時間軸がずれてしまいますので、今日のところはオンタイム優先で今日あった事を書く事にしました。

「新しい自転車を買いました!」と言いたいところですが、これは昨年紹介したレンタサイクル

原宿の “niko and … TOKYO” で借りられるBESV PS1。電動アシスト自転車買うならコレデショ!って思わせる先進的なデザインは2012年の登場以来いまだにトップクラスの存在感。私も置き場所さえあればとっくに買っていたでしょうが幸い環境が整わなかったので指をくわえている間に味が薄れてきた感じで。

でもレンタサイクルで借りられるとなれば話は別です。確かにいくつかのサイクルイベントで試乗はしてきましたから乗り味こそ知っているものの、自分のサイクルスタイルに当てはめてみない事には本来の実用性までは見えてきません。ですから今日は3時間1,000円レンタルではなく、1日3,000円レンタルのほうに申し込み! 原宿から東京スカイツリーまでのポタリング、皇居一周、そして代々木公園内のサイクルコースなどを気がすむまで走ってみました。正確には、気は済んでいませんがバッテリーの方が先に無くなりました。レンタサイクルでトータル52kmの長距離ポタ。

実はこのPS1、本日2台借りる事になりました。いえ、1台目は借りて走り出したら速攻でチェーンが外れ、様子を見ながら出発するも200メートルも走ったところでギアチェンジをした途端にリアディレーラーがもげて外れてしまいました。たちまち後輪はロックし走行不能に...。走り始めからリアディレーラーが変な向きに付いているとは思いましたがその時点で、取り付けているプレートが折れる寸前だったのでしょう。そして勢いよくシフトをしたところで金属疲労でボキッて折れちゃったという! 生まれて初めてですよディレーラーが折れてしまったなんて!

恐らく前に借りた人が相当乱暴な使い方をしたのでしょうね。ディレーラー部分をどこかにぶつけるとか自転車ごと倒すとか引っ掛けるとかして曲げてしまったのでしょう。原型に近い形はとどめていましたが、運悪くそのモデルを引き当ててしまった私が弱った箇所にトドメを刺してしまったという...。幸い出発した直後だったので無残な姿の自転車を押して引き返せましたが、それが50kmも走行してからだったら大変だったでしょうね。お店の店員さんには事情を説明したところすぐに2台目を準備してくれました。

まあでも、お店側もある程度点検をすべきだと思いますけどね、何しろ命に関わる乗り物ですし、実際今回も走行中にいきなり後輪がロックして危なかったですから...。アパレルショップのようなお店がサービスの一環として貸し出しているもので自転車専門店ではないですから多くを求めるな!という事かもしれませんけど。そういう自転車で50km以上も走ろうという私もどうかしてますか...。

ハンドルには標準で大型のバックライト付き液晶ディスプレイが備わっています。スピードメーターやトリップメーター機能は勿論ですが、電動アシスト自転車ならではのバッテリー残量表示や、ドライブモード(1,2,3,Sの4モードあり)が表示されます。メーターの表示切り替えとドライブモード切り替えは左手グリップ部分にいくつかの専用ボタンが準備されており走行中でも快適に操作できます。

ただ、このディスプレイが必要以上に大きいんですよね。この情報表示だけなら半分の大きさで十分なんじゃないか!と思います。地図でも出れば納得ですし誰しもそれを望むと思うのですが残念ながら地図表示機能は備わっておらず、私は持参したGARMIN Edge800をステムに縦に並べて装着しそちらは地図表示専用として使用しました。純正ディスプレイが大きすぎるのでハンドルに横並びに配置するような自由度は無くこのように縦に並べるわけですが、もっと大きなスマホを装着したい人とかはどうするのでしょう?

バッテリーはメインフレームの真ん中におにぎりみたいな形で装着されています。走行するにはメインキーをここに突っ込み電源をONにする事で先ほどのディスプレイが目を覚ます感じ。なんだか原付みたいです。

このPS1は初期モデルですからカタログスペック上バッテリーフルの状態での最大走行距離は60kmだったはず。ただそれはアシストモードが一番弱い1を選択した場合。今回はもっとインテリジェントに動作する(といわれている)Sモードを常用したためか51kmを過ぎたあたりでEmptyになりました。日常的にはこれで十分ですが、私のように長距離ポタリングを趣味とする人は大容量バッテリー標準搭載で最大走行距離100kmを実現したマイナーチェンジ後(現行)モデルを購入したら幸せになれそう。

MTBでもないのに前後にサスペンションが装備されています。ところがフロントはともかくリアのサスは硬すぎてほぼ付いていないに等しい...。もう少し柔らかいものに交換したら乗り心地が改善できそうです。

タイヤもかなり太くいかにも転がり抵抗が大きそうですが電動アシストのおかげでその辺りはさほど気になりません。ただそれも速度域によってかなり感覚が違います。現在日本の電動アシスト自転車は24km/hまでしか動力を使ってはいけない決まりがあり、アシスト比率に関しても、10km/hまでは人力の2倍までをアシスト、10km/hから24km/hまでは徐々にアシスト力を落とし、25km/hではアシストゼロにしなければいけないルールで設計されていますから、このPS1も公道を走る以上はその範疇です。

したがって、トロトロ走る上り坂は最高に気持ちよく走れますが、巡航速度を上げたい平地では単なる重たい自転車に化けます。上り坂ならロードバイクを追い越せても、平地ではママチャリと一緒に走る...みたいな。これはアシスト力の話抜きにしてもPS1のギア比設定そのものが20km/h程度までをターゲットに作られており、それ以上の速度を出すにはケイデンス(足の回転数)が上がり過ぎて継続は難しいです。現行モデルは10速ギアですからその辺も改善していそうですが、この初代モデルは7速ギアですからトップスピードは望めず、ストップアンドゴーの多い街乗りや山道を含むポタリングにぴったりです。

ブレーキは生意気にも油圧ディスクが採用されており、初期制動の良さはさすがディスク!と感心するばかり。簡単にリアがロックしますからタイヤの減りは早そうですが。

モーターはリアタイヤのハブに内蔵されているため実にスッキリした仕上がりです。クランク周りに ”モーター付いてます!” っていう主張がないので一見電動アシストに見えないのが素晴らしいところ。ただ思うに、ハブの中にモーターが内蔵されているということは走行の負荷がモーターにダイレクトに伝わるわけで、その点クランク部分にモーターを搭載する自転車の場合は最適なギアさえ選んであげればモーターは常に安定した負荷で走れるはず。

ということはハブ内蔵モーターってバッテリーの消費が激しんじゃないかと。上り坂ばっかりだったら常に高負荷ですよね。その代わりダイレクトにホイールを駆動できるのでロスは少なそうですが。

とにもかくにも、都内52kmの電動アシストポタリングは無事に走りきることができました。走り終えた感想としては「期待したほどアシストの恩恵はなかったかな?」という感じ。確かにストップアンドゴーや上り坂は楽なのですが、アシストが始まるのに少しラグがあって、青信号で走り出すと最初の一歩はほぼアシスト無し。2歩目からグイっと押し出される感じ。よってカーボンフレームで軽量と言ってもママチャリ相当の17kgもありますから、毎回1歩目は人力で動かしている感じですし巡航速度が上がればこれまた人力。日頃私が乗っているトレンクルより10kg近く重いとなるとやはり疲労はそれなりにあります。

道路交通法がもう少しゆるくなれば本来の性能を余すことなく発揮できるのでしょうが、今の日本の公道を走るにはこのあたりに落ち着くのでしょうね。グイグイ乗る!というよりは日常を楽に乗るという感じ。ただ、自転車そのものがもう少し軽くなると話は変わってくるかもしれませんね。

PS1も世に出てからだいぶ経ちますから、そろそろフルモデルチェンジなんて期待できそうな。

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