Simply mini J

1日5分、その日の自分を振り返る時間を作りなさい。
    昔そんな話をお坊さんから聞いた。

六本木アートナイト2019(3)

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All Photo by inos

今年の国立新美術館、アートナイトにちなんだ催し物は少なかったものの建物正面付近に展示されていたこの「ガラスの茶室」はなかなかの存在感でした。

と言ってもガラスだけで構成されていますから何一つ色が使われておらず透明なので遠目には気づきにくいのかもしれませんが。

ガラスの茶室は2011年にヴェネツィア・ビエンナーレ国際美術展で発表されたと説明がありますから、もう結構前の作品という事になりますが、六本木に設置されたのはごく最近の事のようです。

単にガラスで出来た建物という視点で見れば、農家のハウス栽培のソレとあまり変わらないのですが、この茶室の凄いところは建物は勿論、中に敷き詰められている床や枕のようなものまですべてがガラスであるという事。分かりやすいところで言えば周囲を取り囲んでいるベンチもガラス。むしろ建物よりもこのベンチのボリューム感に圧倒されましたね。こんな肉厚のガラスは見たことがありませんし、その中に気泡一つ入っていないというのも驚き。

似たようなものがあるとすれば札幌雪祭りなどで作られる氷の彫刻が一番近いような気がします。でもこちらは純度の高いガラスですから透明度が半端ないですね。展示物にはこれ以上近づけないため実際に触れたり腰掛けてみるわけにはいかないのですが、ぜひ一度このベンチの上で横になってみたいですね。現実は冷たくてすぐにお腹が痛くなりそうな気がしますが。

茶室なら真っ赤な傘とか花とか、そういったもので彩りそうなものですが、こちらの展示は色に関する拘りもあるようで、自然光が差し込むことでガラスならではのプリズム効果で現れる光の虹を楽しんでほしい...そういった意図のようです。

しかしこれだけ綺麗なガラス展示が屋外で行われていることに驚きますね。多少は埃も被るでしょうし雨が降ったりすればたちまち汚れてしまいますからね。多分毎日開館前には綺麗に磨き上げるのでしょうね。

国立新美術館はこの幾何学的とも言える建物の構造が特徴であり、非日常的な空間を感じさせてくれて私は好きです。建物そのものの建築も大変だったでしょうしスペース効率も悪くなるでしょうが、アートな世界観にはすごくマッチしているというか、ここを通って館内に入っていけばすごくアーティスティックな作品に出合えそうなそんな気持ちにさせてくれます。

お決まりのカフェでは特性オレンジヨーグルトを飲みましたが600円は少々高いかな。

昨日の日記にも少し書いた通り、今年は東京ミッドタウン周辺もこの国立新美術館もアートナイト向けの特別展示というものは少なく、館内は常設展示がいつもより遅い時間まで行われていた程度で昨年のように展示スペースいっぱいの鯉のぼりみたいなサプライズが無かった点は残念でした。

代わりと言っては何ですが今年は多くの作家さんがエントリーしているアニメーションの上映が行われておりました。係の人の話によれば「整理券を配っていますがもう空きがあるかどうかはわかりません」との事でしたが、実際会場に行ってみると整理券どころか席は半分くらい空いていてガラガラ。予約なしで見る事が出来ました。

作品の内容的には好みの分かれるところですが、十数人の作品が順次流れていますので見ていれば好きになる作家さんが出てきます。

下の写真がシマシマになっているのはサイレントシャッターで撮影しているため。流石に静かな会場で「バシャ」と音を立てて写真を撮るわけにはいきませんのでこのような結果に。これがクリアーに撮れるようになればカメラからメカシャッターは要らなくなりますね。

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