Simply mini J

1日5分、その日の自分を振り返る時間を作りなさい。
    昔そんな話をお坊さんから聞いた。

76億の目撃者たち

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All Photo by inos

直近の週末、恵比寿ガーデンプレイスにある東京都写真美術館にて開催されている “世界報道写真展” を見てきました。館内は撮影禁止が基本であるためいつも記念に撮ってくるのはこんな風景ばかり。

デジタル一辺倒の現代において写真の立ち位置というのは非常に曖昧になりました。高級カメラでなくてもスマートフォンの内蔵カメラで十分な画質が得られ、それを誰もが持つ事で人口と等しいくらいのカメラマンが誕生したとも言えます。

それは大変便利であり、気軽に扱え、何より常に持ち歩いている事に最大の価値を見出すことが出来ますから、ある意味本格的なカメラ以上に記録に残すための道具として優れていると言えそうです。

しかし一方でそれを扱う我々ユーザーは “記録として残す写真の立ち位置” までを理解・想像してカメラを使うまでには至っていません。今風に言うなら “映える” 写真と “記録” は違うということです。

報道写真展はそこに写し残された全てが実在したものであり、演出や想像、加工や修正の上には成り立たない、真のドキュメンタリーである点は他の多くの展示会と一線を画し、喜びや悲しみ、驚きや感動、作品を見て湧き上がる全ての感情は、メディア越しの現実に反応した我々の素直な気持ちという事になります。

写真に心を打たれたわけじゃない、写真に写っている内容に言葉を失ったんだ。

ミディアム、あなたと私の間にあるもの、それがメディアの原型であるとするなら、写真は報道にとって究極のメディアである事は今も昔も全く変わっていないことを再認識しました。

展示の内容に関しては一切触れないよう書いたつもりです。東京は8月4日までの開催、その後は大阪や京都でも巡回されるようですから気になる方は是非足を運んでみると良いと思います。

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