少し前の事ですが、私が座る電車の席の目の前に20代くらいのカップルが仲良く乗っていて、男性は「デジカメ撮影のネタ帳」という本を熱心に読んでいました。

背表紙には定価1600円と書かれており、その脇に186円のラベルが貼られていましたから、きっと古本屋さんで中古を安く購入したのでしょうね。

恐らくその本を読んでいる時点でそれほどカメラや写真について深い理解があるわけではなくまさにこれから！という段階なんでしょうけれど、これだけネット社会が進んだ時代に中古の本で勉強しようとしう姿勢が少し美しく見えました。

私も学生の頃はオーディオに関する書籍を学校の図書館で借りてきて気になる記事をコピーして勉強したものです。そういう記憶ってその行為も含めて残るものですから、WEB検索で情報を探るより遥かに身に着くんじゃないかと思います。

まあその本に書かれた内容がどのようなものかまでは分かりませんが、きっと「夜景を撮るときは三脚に載せてセルフタイマーを使いましょう」とか「ポートレートは中望遠で背景をぼかしてみましょう」とか「滝や川を撮るときはスローシャッターを使ってみましょう」とか書かれているんでしょうかね。

写真って、最初はどこから勉強していいか分からないのでまずはそういったセオリー通りの撮り方を勉強してみるのですが、そのうち自分が撮りたいものとか見せ方が固まってきて、それに向けてまた技術を磨くみたいな感じで、目的と手段を反復しながら勉強するようなところがありますが、若い彼は今その入り口に立っているんでしょうね。

これから楽しい写真ライフが待っています。