Simply mini J

1日5分、その日の自分を振り返る時間を作りなさい。
    昔そんな話をお坊さんから聞いた。

ジムニーのスピーカー交換とデッドニング(1)

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All Photo by inos

納車より前に手元に届いていたカーオーディオ用スピーカー。ようやく涼しい環境で装着できるタイミングを迎え数日に及ぶ作業に取り掛かったのは先日のこと。

当初は純正オプションの13cmスピーカーを装着予定でしたが、「どうせ付けるなら ”軽トラ音質” な標準品との差別化でいっそ良い音を狙おうじゃないの!」という事で16cmユニットをチョイス。その時点でディーラーオプションはキャンセルとなり自ら取り付ける方向へシフト。更に、「せっかく良い音を狙うならデッドニングもセットでしょ!」と欲は留まるところを知らず、いつの間にか大規模工事プランへ突入しておりました。

いえ、本音は「良い音の追求」ではなく音漏れ対策なんですけどね。納車直後に奥多摩までドライブに行った際、ラジオを流したまま車から降りたところ、何と外でもDJが何をしゃべっているかしっかり聞き取れるくらい音がダダ漏れ!でした。 だから気持ち良いくらいの音量で聞いている音楽が外に漏れないくらいの対策はしたいなと。

スピーカーユニットを交換する前にまずはドアのデッドニングを行います。写真1枚目がノーマル車両のドア内張りを剥がしたところ。ダブルコーンとはいえ小さな小さな申し訳程度のスピーカーユニットと鉄板だけのペラペラドア。まあジムニーは高級車ではないのでこれで必要十分なんでしょうけど、そりゃ外に音がダダ漏れなのも頷けるわけで。

とはいえ新型ジムニーは最新の電子デバイスの塊ですから、いっちょまえにエアバッグなんぞも付いているわけで。内張を剥がして出てきたこの緑色のセンサーはどうみてもエアバッグのそれですよね。ここに強い衝撃を与えるとドカーンと花火が打ち上がると聞いていますので少し慎重に作業します。一部ではバッテリーのマイナス端子を外しておけば安全!なんて噂もありますが、多分ダメですよねそれでは。だって事故を起こした時、バッテリーが先にダメージを受けたらエアバッグは開きません!なんて仕様なはずもなく。

ジムニーの標準スピーカーは10cmユニット。オプションを選択すれば13cm。そこにむりくり16cmを押し込むには対応するバッフルが必要になります。自作しても良いですがそのために時間をかけるというのも勿体ないというか、私は早く結果を手に入れたい!たちなので、今回このバッフルはオーディオ好きな新型ジムニーオーナーさんお手製品を直接取引にて譲っていただきました。誠にありがとうございます。

しかし不思議ですね、ホームオーディオスピーカーでバッフルと言ったらユニットを取り付ける板状のパネルの事を「バッフル板」と呼ぶのが普通ですが、カーオーディオ業界ではこの輪っかの事を「バッフル」と呼びますよね。こういう形状ですから「ユニット固定用アダプター」みたいなネーミングの方がしっくりくる気がしますが...。

それにしてもこのバッフル、個人製作とは思えないくらい完成度が高いですね。MDF加工品だと思いますが、表面はウォータープルーフ仕様ですし、万一水が掛かっても水抜けの穴位置まできちんと設計されています。

ドアのデッドニングはとにかく水に気を使います。基本的にドアの中に水は入るもの!というのがカーオーディオの常識ですから錆びのことを考えるとやみくもに吸音材を入れられないのです。

しかしデッドニングの基本は防振と吸音。振動を抑えてもこもった音を吸音しないことにはエネルギーが減りません。そこで今回は新しめな素材を使ってみることにしました。レアルシルト アブソーブ。

通常のレアルシルトは防振素材として絶大なる効果を発揮してくれるのは有名で、私も前の愛車Classic MINIのトランクに使ってその効果を体感していたため今回も躊躇なく取り入れました。そしてアブソーブはそのレアルシルトの表面に耐水スポンジのような素材が貼り付けられた新タイプ。アウトパネルへの使用もOKな頼もしいヤツ。

上の写真で手前に見えるブルーのシート状のものがレアルシルト、奥にあるグレーのスポンジ状のものがレアルシルトアブソーブ。これにて吸音と防振の両立が実現。アブソーブはこのブロック1つだけにしましたが、レアルシルトはドア全体に大きめブロックのまま何枚も貼り付けています。本当はニードルフェルトとかをたっぷり入れたいんですけどね。ドアだけは吸水素材は入れない方がいい...そう思います。

今回使用するスピーカーユニットは右側のCarrozeria TS-C1630S。Sの名の通りツィーターとウーハーの2WAYセパレートタイプ。ツィーターを写真に撮り忘れました。2WAYですから当然ネットワークもある...。しかしジムニーのドアにはなかなかネットワークを設置するスペースがなく、悩んだ挙句アウターパネルの水に濡れなそうな場所をチョイス。ちゃんとやるなら車内にケーブル引き込んで設置が妥当でしょうが、多分アウターでも設置位置さえ配慮すれば大丈夫だろうと。

ちなみに写真の左側に写っているのがノーマルスピーカー。実際手にしてみると写真で見る以上にチープです。これじゃ無理だよな...と思いました。

作業はなかなか進まず、想像していたより随分時間がかかりました。こんなふうに写真に撮りながらというロスタイムもありますが、レアルシルトはともかく、レジェトレックス(上の写真の銀色のシート)はブチルゴムがあちこちに付くので作業効率が悪いのです。ブチルがついたらブレーキクリーナーで洗う、ブチルを切るハサミだけでなく手やドアもブレーキクリーナーじゃないと綺麗になりませんからね。

そうこうしていると雨が降ってきて、一旦荷物を車に積み込み、少し晴れたら作業再開...。ネットワークのケーブルが長すぎたりすれば自宅に戻って半田付け、再び駐車場に戻って作業。さてどうやって取り付けよう?と考える...そんな繰り返しで。

ドアアウターパネルだけでなく、インナーパネルも多少は手を加えます。こちらは水がかからない所ですからニードルフェルトをドアサイズにカットして全面に押し当てる感じで固定します。

固定と言っても内張を元どおりドアに戻す間だけ固定されていれば良いだけなんですけどね、実はここでちょっとしたミスに気づきます。ニードルフェルトを固定するために購入しておいた特大両面テープが内張にくっつかない! 内張をよく見たらPPと書かれております。ポリプロピレンじゃないか!

ポリプロピレンってほとんどのテープや接着剤はくっつきませんよね。そもそも接着剤のキャップってポリプロピレンで出来てるんじゃ...。

最後の最後で内張が取り付けられないというオチ。だからと言って一旦もとのように内張をドアに戻して、ポリプロピレン用接着剤を購入してからもう一度作業というのは避けたいのです! だいたいこういう作業を繰り返していると内張固定用の爪が折れてしまったりしますからね、何度も取ったり付けたりしたくないのです。

で、どうしたか? そう、内張と作業工具と素材一式を荷室と助手席に積み、もはや建築業者のごとく山積みの荷物に囲まれながら、先ほどのメカメカしいドアをそっと閉めてそのままホームセンターへ向かいました。でも内張が付いてないとドアに取っ手がないので車内からドアがうまく閉められないんですよね。窓を開け、ドア全体をアメリカンスタイルでワイルドにドン!って思い切りよく!

そして完成の図。え?なんですか?小さなツィーターだけじゃないかって? ええ、内張を付けてしまったら見た目的に変化があるのはこのツィーターだけなんです。にしてももう少しカッコよく取り付ければ良かったですかね。ポン付け感ハンパない。どうしても気に入らなかったら埋め込み加工とか考えても良いかも。

さて、肝心の音はどうかって? いえまだ音出しはもう少し先なんです。実はここまでの作業は先日終わらせておりこれだけで作業時間は8時間くらい掛かっているんですよね。つまり予定していた作業は中断となったまま、本日その続きを行い完結したのでこのネタに触れてみたという感じでして。後半のネタはまた明日。

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