Simply mini J

1日5分、その日の自分を振り返る時間を作りなさい。
    昔そんな話をお坊さんから聞いた。

奥多摩の山奥に鍾乳洞

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All Photo by inos

週末は家ではないどこかへ...これが最近のマイブームです。先週末は再び奥多摩へ。もっと遠くまで行きたいところですが昼間ジムニーのデッドニング手直しを行っていた関係で夕方からの行動となり、比較的アクセスの良い奥多摩というわけです。

日原鍾乳洞は存在こそ聞いたことはあったものの実際に足を運んだことがなく、このチャンスに是非!という事で車中泊開けの日曜日に訪れてみました。こうした場所にしては珍しく朝8時オープンなんですよね。車中泊って遅くとも朝7時くらいには起床してその後暇になるので8時オープンは実に有難いです。鍾乳洞を見学するには入り口で大人800円/人の見学料を支払います。

洞窟内は想像以上に広いと言われていましたし、同時に寒いとも。年間通して10℃程度と言われており長袖が推奨らしいですが暑がりな私がこの時期に長袖など持ち歩いているはずもなく半袖シャツのみで突入。洞窟内はアップダウンが結構あり結果的に半袖で十分でした。

今は観光地になっていますから当然ですが内部は人工照明によって照らされているので想像以上に明るく歩きやすいです。

受付でも洞窟マップを渡されたと思いますし、洞窟内にも看板があったのは確認しましたが、そんなのは殆ど見ずにアドベンチャー感覚で進みます。そして今自分がどこにいるのか分からなくなります。洞窟は一本道ではなく分岐したり合流していたりしますから、手探りで歩いていると「あれ、ここさっき通ったな?」という場所に出てきたりするのです。

最初のうちは比較的平坦な洞窟も後半になるとこれでもか!というくらいに険しい階段が続きます。足を滑らせたら結構下の方まで落ちるよね!という感じ。よくもこんなルートを発見し、観光用の道にしたな!と驚くばかり。

この洞窟について事前調査をしたところ内部に ”水琴窟” がある事を知り今回はとても楽しみにしておりました。私はこの音が昔から好きなのです。

水琴窟は地面の中に壺のようなものを埋め、そこに水のしずくがポタポタ落ちる事で神秘的な音を奏でる仕掛け。箱根湯本にある天山という日帰り温泉に行くと休憩スペースにこの水琴窟の音が流れていますね。そちらは本物ではなくスピーカーから音が出ていますけど。

壺に水が落ちる音ですからもともとがそれほど大きな音ではなく、この周囲には「お静かにお願いします」と書かれています。多くの人が訪れては「どこから音が聞こえるんだろう?」とキョロキョロして探しますがなかなか見つからないようです。なんたって足元に埋められていますからね、見つけにくいわけで。

上の写真だと大きな岩に取り囲まれた真ん中の下のほうに比較的小さな石が敷き詰められた場所がありますが、その中に壺が埋まっているようでした。耳を澄ますとそこが音源となり周囲に綺麗な音を響かせておりこの周囲だけ天国のよう。

すかさず私はポケットからiPhoneを取り出しその神秘的な音を録音してきました。他の観光客が居ては足音や話し声が入ってしまいますから、クリアーな環境を待つのに結構時間かかりました。流石にそんな物好きは私だけでしたね。

日原鍾乳洞最大の見せ場がここ。色とりどりの照明で演出された巨大な空間は視界に入った瞬間に皆が「おぉ~」と声を上げるほど。これが人の手で作られたものではなく自然の造形だという事に驚きますね。なぜこの山奥にこんな空間が出来たのだろう...と。まあそれを見つけた人も凄いですが。

ちょっと目測ではこれがどれくらいの空間でどれくらいの高さがあるのかさっぱり分かりませんでした。とにかく広い事は確かです。

メインとなるこのエリアの長い階段を上っていくと現れるのが「縁結び観音」。なぜに洞窟の中にエンムスビ?という疑問は置いておいて、一応手を合わせてきました。更に奥の方へ進んでいくと今度は「十二薬師」なる神様が...。もはや何でもありですね。その他にも三途の川とかもありましたし。洞窟そのものを一つの世界に見立て、昔の人はこうした自然の産物を神聖な場として守ってきたのだと思います。

ここまで読み進めてきて疑問に思った人もいるかもしれません。日原鍾乳洞と言いつつ鍾乳洞らしい鍾乳洞が全然無いじゃないかと!

そう私自身がそれを思ったのですが、鍾乳洞って言うと想像するのは石灰岩で出来たつららみたいなヤツ!じゃなかったですか? ここはそのほとんどが単なる洞窟に見えます。もしかすると洞窟を構成する岩の一つ一つが鍾乳洞と同じような過程で出来たものなのかもしれませんが。

つららみたいな鍾乳洞も無いわけではありません。同じ洞窟内で新洞と呼ばれるエリアにはこのようなつららが見られます。ただ絶対に触れられないように全部金網で囲われておりちょっと自然な感じはありませんでした。それよりもその場で頭上を見上げればいつ落ちてきてもおかしくないような険しい岩肌が...。地震でもきて落ちてきたらひとたまりもありませんね。

当日iPhoneで収録した水琴窟の音を...。え、何ですか?地味ですか? いえいえ非日常的でなかなか落ち着きますよ。

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