Simply mini J

1日5分、その日の自分を振り返る時間を作りなさい。
    昔そんな話をお坊さんから聞いた。

本物の写真を感じて欲しい

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All Photo by inos

diary3043

オーダーしていた額装がいよいよ仕上がってきて、今年いっぱいという納期にぎりぎり間に合わせる形になってしまいましたが、無事依頼主の方にお渡しする事が出来ました。自分の作品が手元を離れ人の手に渡っていくというのは嬉しくもあり少し寂しくもある複雑な心境です。

以前にも書いたかもしれませんが、写真と言うのは音楽に良く似ていて、Record を作るのと同じようにその時のベストが形として残ります。モノ作りをする人にとって、時間と作品の完成度はどこか比例するような感覚があって、「あと1ヶ月あったらもっと良いものが仕上がるんじゃないか、あと半年あったら...」 と終わりの無い格闘があります。事実、今回お渡しした写真の候補は春の時点で決まっていましたが、期限いっぱいまで努力してみても良いのではないか?という気持ちは、別の秋作品との組み写真という違う形につながりました。自己満足かもしれませんが、感動や感激をカタチに残そうとするのなら、作り手はそこに最大限の努力をするべきだと私は思い続けたいです。

額装に関しても今回は色々と工夫してみました。中に入れる写真のバライタ紙は湿度の変化による伸縮が激しく、一般的な写真額装に用いられるブックマット&コーナーポケット止めでは写真がたわんでしまう恐れがあるため、オーバーマット&一点止めとしてアンダーマットで押さえてみました。恐らくこれであれば湿度の変化にもある程度対応できると思います。そして、額縁センターにレイアウトしたように見えるこの写真のマット幅は実は均等割にしていません。人間の目には錯覚があって、本当にセンターにレイアウトしたものはセンターに見えないため、マット幅に微妙に差をつけることで壁に掛けた時センターに見えるようにしています。マットの色もフレームの色も、微妙なバライタ紙の質感がよく分かるような素材をチョイスしました。

デジタル写真がプリンターから何枚でも複製可能な時代ですが、こんな時代だからこそフィルムから焼き込んだ手作りの暖かさを知って欲しい、そんな思いでいっぱいです。

今回この作品作りにご協力いただいた、日本を代表するプリンターのK氏、額装を担当してくださったO氏に心よりお礼申し上げます。

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