Simply mini J

1日5分、その日の自分を振り返る時間を作りなさい。
    昔そんな話をお坊さんから聞いた。

夏休みの自由研究 2022(1)

By
All Photo by inos

8月も下旬となり学生もそろそろ2学期が始まる頃でしょうか? 夏休みの宿題が終わっておらず慌てている子供も少なくないはず...。中でも日記や自由研究は片手間では片付きませんから大変ですね。

さて今年は私も夏休みの自由研究と称してある実験をしておりました。テーマは先日キャンプ用に購入したクーラーボックスの性能テスト。最終目標は上の写真にあるような汎用の ”発泡スチロール箱” とキャンプ用として販売されている ”クーラーボックス” で保冷性能ってどれくらい違うのか? の答えを出すこと。これまで使ってきた発泡スチロールもなかなかの性能でしたからね、高価なクーラーボックスってそれより性能良いの? 誰でも気になるポイントじゃないでしょうか?

最終的な結論を出すにあたり幾つかの疑問も出てきます。保冷剤の違いによる保冷能力の違いとか、ボックス内にどの程度の物を入れて検証するのが良いか、とか。それらを踏まえいくつか検証した結果を今日から3回に分けて報告してみたいと思います。検証内容は次の3項目。

1.保冷剤の違いによるクーラーボックス内の温度変化比較検証
→ 汎用保冷剤とロゴス製保冷剤の違いによるクーラーボックス内の温度変化量を24時間監視

2.内容物の違い(量)によるクーラーボックス内の温度変化比較検証
→ 保冷剤のみと食材(ペットボトル2本)を入れた場合の温度変化量を24時間監視

3.発泡スチロール箱とキャンプ用クーラーボックスの温度変化比較検証
→ 同一内容物を発泡スチロールとクーラーボックスに入れ温度変化量を24時間監視

このうち今日は1の検証結果をご報告。

第一弾は保冷剤の違いによるクーラーボックス内の冷え方の違いと保冷持続時間の違いを検証。比較する保冷剤は ”汎用の水色タイプ” と、キャンプ用として高性能が謳い文句のロゴス製 ”倍速凍結・氷点下パックM”。

保冷剤の体積として多少の違いが出てしまいますが、見た目に一番近しくなるよう汎用保冷剤1個に対しロゴスは2個。(水色が汎用保冷剤、緑がロゴス製保冷剤)

YouTubeなどでクーラーボックスの性能比較実験動画として公開されることが多い方法は、ボックス内に同じ量の氷を入れ一定時間経過後にどれだけ溶けずに残っているか? みたいなやり方ですが、その場合定期的に蓋を開けて中の状態を確認する関係で内部の温度が上がってしまい正確な検証結果を出すのは難しいだろうと感じていました。

そこで今回の実験方法はボックス内にBluetooth機能付き温湿度計を設置し、1回も蓋を開けることなく内部の温度を監視しようという考え。温湿度の情報は1分単位でログとして記録されているため、リモート監視するだけでなくテスト終了後にCSV形式で書き出せばExcelでグラフ化して視覚的に比較が可能。

実験はこちらの写真のように同一クーラーボックス内に保冷剤のみを入れ、温湿度計は保冷剤に直接触れないようスポンジでボックス中央付近の高さまで下駄を履かせた状態で計測します。もちろん検証中に倒れて氷の上に転がったりしないよう両面テープでしっかり固定。この状態で蓋をかっちり閉めて検証。

この実験では同一のクーラーボックスで比較する必要がありますから発泡スチロール箱は使用しません。ただし同じクーラーボックスが2つあれば1度の計測で事は済みますが、生憎キャンプ用は1台しか所有しておりませんので、保冷剤違いの検証を1日ずつ2日間に分けて計測しました。

実験は自宅リビング25度環境で21時にスタート。翌日の21時まで24時間データを取り続けます。深夜はリビングのエアコンを停めているため朝には室内温度が28度程度まで上昇しますが、朝の7時には再びエアコンが稼働し25度に戻ります。

24時間の温度変化をCSVで書き出しグラフにしたのが下の図。

とても分かりやすい結果となりました。どちらも検証スタート時は25度でしたがそこから2時間ほどで最低温度に達し、後は徐々に温度が上昇してくる傾向。このグラフ曲線が明日以降もお届けする全ての実験の基本曲線となります。

汎用保冷剤のほうは温度の最小値が13.3度なのに対しロゴス保冷剤のほうは同一時刻に6.7度まで下がっていますから、より低温保管が望まれる食材を持ち歩く場合はロゴス保冷剤の方が適していることが分かります。

しかしロゴス保冷剤だから保冷能力が長続きするかというとそうでもなく、意外と曲線の上がり方は朝の9時くらい(すなわち実験開始から12時間後)くらいから急激に上がっていますから、その辺りで氷が完全に溶けきってしまったのだろうと推測できます。

ちなみにどちらのグラフも朝7時くらいに一旦横ばいの挙動が現れているのはリビングのエアコンがONとなり室温が3度程度下がった影響ですね。つまりクーラーボックスと言えども外気が3度変化すればボックス内の温度にも目に見えて影響が出るということが分かりました。この結果には少し驚きですね。もっと完全にアイソレートされた環境をキープしてくれるものとばかり思い込んでいました。

それから検証前の私の予想では、グラフの形がもっとバスタブ型とでも言いましょうか、氷が溶け切るまでは同じくらいの温度をある程度キープしてくれて、溶けきってしまったら徐々に上がってくるようなカーブを描くかと思っていたのですが、一旦最低値まで下がった後はどんどん上がってくるものなのですね。これも意外な結果でした。

いずれにしてもロゴスの保冷剤の能力は汎用タイプと比較してかなり高そうであるという結果となりました。明日はこのロゴス保冷剤を使用して、ボックス内に保冷剤のみを入れた場合と、その他の食材を一緒に入れた場合とで温度変化がどう出るか?を報告してみたいと思います。

コメントを残す

*
*
* (公開されません)