Simply mini J

1日5分、その日の自分を振り返る時間を作りなさい。
    昔そんな話をお坊さんから聞いた。

カメラと歩く[感性とは]  2003/12/24の日記から

By
All Photo by inos

社会人になり学生時代より多少の金銭的余裕が出来、早々に Nikon New FM2 を買った。宝物は常に身に付けておきたいという思い入れは、毎日の通勤でさえカメラを手放す事はなかった。

持ち歩く理由は他にもあった。運良く映像編集という職を手に入れた私は毎日プロのカメラマンの撮影した映像を選ぶ試練を与えられていた。どれを見ても自分では遠く及ばない素晴らしい映像ばかり、勿論プロのなしえる業である。編集サイドの私ごときが甲乙付けるなど土台無理な話だと思うこともあった...「そのカメラマンはどんな気持ちで現実を切り取ったのか?」知る必要があった。手にはカメラを持っていた。

最寄の駅まで歩くには少し近すぎた。一つ先の駅までを毎日同じルートで通うことにした。雨の日も風の日も徹夜明けも...街並みが表情を変えるたびシャッターチャンスはあった。ただそれは初めの1ヶ月位のはなし...。半年も経過すればファインダーすら覗かない自分に気づいた。毎日の同じ景色の中に何を感じるか?思い出す言葉の中に ”感性” という響きがあった。そしてそれが ”持って生まれた特殊な能力” ではない事にこの時初めて気が付いた。

自分を取り巻く環境の全てを ”当たり前” として捉えてしまったらどんなにつまらないか分からない。技術という言葉にはとかくそういう要素が含まれがちだ。

コメントを残す

*
*
* (公開されません)