Simply mini J

1日5分、その日の自分を振り返る時間を作りなさい。
    昔そんな話をお坊さんから聞いた。

JAPAN MOBILITY SHOW 2023(3)

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All Photo by inos

今年のJAPAN MOBILITY SHOW一番の注目はこの車だったんじゃないかと思います。個人的にそう思うだけでなく、イベントにMVP的な賞が準備されているとしたら間違いなくこの車が獲得するだろう、それくらい多くの人の心を惹きつけ、事実現地では皆の目が釘付けになった展示でした。

数週間前にテザーサイトが公開され会期前から話題を呼んだ車 MAZDA ICONIC SP。

展示エリアへは多くの人が押し寄せ、前列で実車を見るには初詣の参拝者の如く徐々に前方へ移動していくほかに手段はなく、それまでは短い足でめいいっぱい背伸びをしてようやく車のシルエットが確認できるような状況。同時に聞こえてくる「カッコイイ」という声は前後左右3D音響のよう。

じゃじゃーんと現れました、これがMAZDA ICONIC SP。スーパーカーみたいな車にあまり興味がない私でもこれは素直にカッコイイと思いました。

この写真を見ると「合成写真?」と思われる人もいるかもしれませんが、これは間違いなく実在する車で目の前の実写を撮影したもの。背景がLEDウォールである事も要因の一つではありますが、車のデザインが美しすぎるうえに、撮影用としか思えないような最高のライティングが施されているので、写真に撮るとCGに見えてしまうのです。

モーターショーで初めて見ましたよ、こんなに写り込みが綺麗に出せるライティングをしている展示。

近年新車では見る事のなくなったリトラクタブルヘッドライト。要求度の高まる衝突安全性をクリアしなければならない上に、故障や調整に対する手間が増え、生産コストも上がるという、メーカーにとって何らメリットのない装備だからして自然消滅していったのは必然として、スポーツカーファンとしては昔からこの ”飛び出すライト” こそスポーツカーの証!みたいな憧れがあったのは事実。

それが今回この車に実に自然な形状、むしろアイコニックな装備の一つとして搭載されたのは高く評価されるのではないかと思います。昔のユーノスロードスターNAのように丸目のリトラクタブルライトも可愛いですが、光源がLEDになるとここまでコンパクトでスタイリッシュ、空力面でマイナスとされるリトラクタブルライトを上手くデザインする事で前方からの空気を両サイドに逃すカナード的な役割を担うのではないか?と想像しました。

前方からの眺めはもはやフェラーリの隣に並んでも引けを取らない存在感。この車に採用されたボディーカラーは新色の赤だそうでこれまでの車に使われてきた赤とは異なるものなんだとか。こんな事を言ったら怒られそうですが、これフェラーリレッドそっくりな気がします。高級な赤!って感じ。

マツダは近年多くの車にファイブポイントグリルと呼ばれる5角形をひっくり返したようなグリルデザインを採用していますが、この車もご多分に漏れず同様のポリシーで設計されているようです。ただグリル内には空力を意識したのかやや下向きのエアロパーツらしきものが設置されている点は他車と異なるところ。

テザーサイトで公開されていたリアビュー。丸型形状を組み合わせたテールランプはいかにもスポーツカーらしさを醸し出し、この辺りはロードスターのDNAを引き継いでいるようにも感じられます。真後ろから見ると一見オープンカーのようにも見えますがこの車の屋根は開きません。

車体サイズはロードスターよりは一回り大きく、RX7やRX8よりは僅かに小さい、メーカーは公言していませんが世間的には「次期ロードスター?」という声と「次期RX7?」という声で二分しているようです。

真横からのシルエットから、フロントタイヤの位置からしてフロントミッドシップ?と安易に想像を膨らませるわけですが、聞けばこの車はフロントミッドシップであることは間違いないが、2ローターのロータリーEV車なんだとか。つまりロータリーエンジンを搭載したプラグインハイブリッドカー。

両サイドは深く絞り込まれた複雑な3Dボディ形状ながら前後フェンダーとのラインをスムーズに繋いでおり、スーパーカーを象徴するようなデザインになっています。実用性第一の私の目線で言えば、雨の日の泥はねが凄そうですが、こういう車はそんな事は二の次ですよね。そもそも雨の日には乗らないくらいの気持ちで所有するでしょうし。

リアガラス形状は嘗てのRX7を彷彿とさせます。最近はこんなふうに左右に巻き込むような曲面ガラスが採用される車って少ないと思うのですが、この辺りがマツダらしさでしょうかね。

いずれ市販車として登場する前提で言えばナンバープレートの装着位置が気になるところです。フロントは恐らく問答無用でグリルセンターにドーンと装着されるのでしょうが、リアに関してはバンパー形状がかなり斜めになっていますからナンバーステーを取り付けるとボディラインがかなり犠牲になりそうですね。

今回ICONIC SPの展示エリアはステージ後方が階段状になっており、展示ステージに近づけない人が遠くからでも見られるような配慮がされていただけでなく、ステージ脇ににもこのような展望スペースが作られており俯瞰で見られるよう工夫されていました。

近年のモーターショーは出展予算の関係もあるとは思いますがどのメーカーも平置き展示が多く、来場者でごった返してしまうと見たいものが見られないという状況になりがちですが、今回のマツダブースはその辺り実によく考えられていました。

抽選か何かで当選した人なのか、事前予約か何かで申し込みをした人なのか知りませんが、ある時間になると20名ほどの来場者がステージに上がり展示車両の前をぐるぐると見学するツアーが開かれていました。その様子だけ見るとまるで鬼ごっこ...。

この時だけはICONIC SPのドアが開けられインテリアも見ることが出来たようです。私はステージ上には上がっていませんのでこの角度で見ただけですがきっと車内も先進的にデザインされているのでしょうね。ドアの開閉も電動ガルウィングっぽくスムーズかつサイレントに動いておりました。よく見るとこの車にはドアノブがありませんね。

MAZDA ICONIC SP。展示車両はコンセプトカーと呼ぶにはかなり作り込まれており、市販化も現実味を帯びているように感じました。2年後くらいには発売!なんてアナウンスを期待したいところです。予想価格は...700〜800万円ってところじゃないでしょうか? グレードによっては1,000万円超えちゃうね!みたいな。

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