Simply mini J

1日5分、その日の自分を振り返る時間を作りなさい。
    昔そんな話をお坊さんから聞いた。

今年プロの業界は大きく動いた

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All Photo by inos

いよいよ私も本日が仕事納めとなりました。手抜き無く、加湿器、空気清浄機、シュレッダー、デスク周り、大掃除は好きなほうですから時間を掛けて行いました。

今年は仕事関係で色々な方と出会い情報交換させていただく場に恵まれました。映像業界はこの1年で急激に技術が進歩していて、あらゆる機材メーカーが破格の値段でシステム提供を始め、それが映画やCMの制作現場にまで伸びてきましたからこれは非常に喜ばしい事です。これまではポストプロダクションの高価な機材でしか実現できなかった事が個人レベルでも出来つつあると言う事は、どんな機材を使うかではなく、どんな発想でどんな腕を持っているかという ”コンテンツ制作の本質” に正面で向き合う事が出来る時代に来たと受け止めています。

私の本音を言ってしまえば、本当に作品のクオリティを上げる目的で機材メーカーが機器開発をするのなら、むしろ機材(もしくはソフト)は無償提供でも良いのではないかと考えています。特別な機材を持っていないと作れない作品があるという現実は、例えるなら ”絵の具の買えない絵描き” のようなもので、この時代に最善を尽くした芸術の1作品として映像コンテンツを残していこうと考えたら、皆に平等に道具が渡り、使い手の努力次第でいかようにもカタチに出来る環境が重要です。でもさすがに機材メーカーやソフトメーカーもそれなりの利益は上げないといけないでしょうから無償提供は非現実的と思えますが、これまで恐ろしく高額だった機材がこの1年ほどで現実的な距離に近づいた事実は、制作サイドのワークフローの自由度を広げる第一歩として2009年という時代に刻まれた気がします。

私が予想する今後の映像業界は、ずばり分散処理です。今現在でもネットワーク上にある映像素材を複数端末で共有することは可能ですが、あくまでそれは1素材を数台の端末で同時使用するに過ぎません。しかしこれからは編集データそのものを複数端末で同時オープンし、編集作業、色調整、テロップ入れ、音処理、を平行作業出来るような柔軟性が必要と考えています。重要なのは排他処理の持たせ方ですね。最後に触ったデータが優先ではなく、すべての端末の作業データがすべての端末に反映される仕組みが肝です。そして複数端末で色やエフェクトをリアルタイムで共有するためにはラスタライズされた映像データでは実現が難しいと思われ、必然的にRAWデータ+調整データというペアになります。このあたりを考え始めると、デジタル一眼レフの動画RAW登場が近い予感がしています。

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