ヤマダ電機より「出来立てホヤホヤの最新型携帯電話が届いておりますので、冷めないうちにどうぞ」との連絡があったのは一昨日の事。しかし、どういうわけか昨夜の同じような時刻に再びの電話。生憎私は仕事に追われておりまして、留守番電話に残されたCall Backの催促メッセージを聞いたのは閉店後．．．。一抹の不安を抱えつつ約束の土曜日正午が訪れました。

店内は相変わらず人影がまばらで、順番待ちをする事もなく係の方へ引き取り用の書類を手渡せました。「少々お待ちください．．．」と、幾分暗めな表情で奥に消えていったかと思うと、返ってくるなり「昨日お電話差し上げたのですが留守番電話でしたので直接お伝え出来なかったのですが．．．」。ここまで聞いた時点で、きっと何かの手違いで在庫が無くなってしまったのだろう？と予想がつきました。が、どうやら事情はそうではなく、在庫はちゃんと確保されているようですが、Softbankの登録用サーバーがダウンしていて昨日登録分の処理がまだ終わっていないらしく、本日分も最悪の場合、明日以降の手続きになってしまうとか．．．。

それはおかしな話です。電気屋さんのほうから「お越しになる日時をお伝えください」というので、時間を指定して遅れないように足を運んだのに、事情はどうあれ「お渡し出来ません」というのは不満なわけでして．．．。

「どうにかしてください！」．．．

30分後には手続きが完了しお持ち帰り出来ました。やれば出来るじゃないですか！ありがとうございました。店員さんの対応はとても親切でした。

そしてここで私が驚いたのは、店員さんの手の中にある登録中のiPhone 4Sの中に、私のiPhone 3GSのアドレス帳やブックマークの情報が既に見え隠れしている点。電源を入れただけで、ケーブルで接続するような事もなく、設定のためにAppleアカウントでログインしただけの新品筐体に、次々と3GSと同一のデータが現れてきます。これには店員さんさえも驚いていました。設定をしようと思ったら見た事も無いデータが表示されるのですから当然です。これぞ ”iCloud”。それらのデータはクラウド上にいますからAppleアカウントでログインした時点で全て同期されるわけですね。これからはこれが普通になるでしょう。

さて、最低限の情報はiCloudにより簡単移行されたわけですから、電話、メール、WEBブラウザ程度ならそのままスタートとなるわけですが、さすがに30GB近くの音楽データはiTunesと同期させなくてはなりません。自宅に戻り早速バックアップから復元します。数回のマウスクリックだけで3GSとまったく同じ環境が戻ってきます。

ただ、私の場合は ”出来れば良い” では納得出来ませんから、その仕組みや法則を理解しながら作業を進めるべく、ここからはAppleサポートに電話を繋いだまま操作。知りたかったのは3GSと4Sを一つのiTunesに繋いだ場合、ライブラリとの連携はどうなるのか？という点と、2つのデバイスのバックアップはiCloud上にそれぞれ独立して管理されるかなど．．．。今回のケースでは3GSから4Sに復元機能を使ってデータを移行するわけですから、何処かでiTunesとの紐付けがクロスするはずです。また、不要になったバックアップデータをiCloud上からどう削除するのか？など、疑問はいろいろ出てきます。

さすがにiCloudは数日前に始まったばかりのサービスですからAppleサポートの方もノウハウが無いらしく、一つ一つ調べながら応対してくれました。非常に丁寧な説明で好感が持てました。結果的に、iTunesは複数のデバイスが認識出来、iCloudにも複数デバイスのバックアップが置けました。そしてCloud上のデータもiPhoneから管理が出来そうです。ただ、さすがに2つ以上のデバイスを同時にiTunesには繋がないほうが良さそうです。

さて、データ移行も無事終わり、iPhone 4Sの高速処理に感心するばかりとなりましたが、ここで更に驚きが。知ってはいましたが、iOS 5と最新のiTunesの組み合わせであれば、ケーブルを繋がずにデータの同期がとれます。つまりWiFiでということです。iTunesライブラリにお好みの音楽ファイルやビデオファイルを投げ込めば、即、iPhoneにもそれが現れます。頭では分かっていてもちょっと感動します。

今回はiCloudとWiFi同期の2種類のデータ連携機能が同時に備わりましたから、目に見えないところでデータがびゅんびゅん飛んでいます。そしてユーザーがそれを意識する事なく使えるユーザーインターフェースはとにかく良く出来ています。

恐るべしApple、文句無しiPhoneといったところです。