Simply mini J

1日5分、その日の自分を振り返る時間を作りなさい。
    昔そんな話をお坊さんから聞いた。

なぜ音質を落とすの?という時代になるか

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AppleがALAC(Apple Lossless Audio Codec) をオープンソースとして公開しましたね。

世の中はもう十数年も前からネット社会になっていて、そこで音楽データを快適に扱えるようにAACやMP3というロッシー圧縮が広く出回り、CD音質と比べても遜色ない程度のクオリティを保ったまま、オリジナルファイルの1/10程度のサイズに圧縮することでネットインフラとのバランスを取ってきました。

しかしここ数年は光回線が一般家庭で当たり前に使われていますから、そこまで圧縮せずとも、もう少し大きなファイルでもストレス無く送受信出来るようになり、AppleのiTunesではそれまでの128bpsという標準圧縮レートが、いつの間にやらiTunes Plus(標準256kbps)へと変更され、徐々に高音質化への移行が伺えました。それでもオリジナルファイルの1/5程度のファイルサイズまで圧縮はされています。

そして今回のALACのオープンソース化です。ALACはAACのようなロッシーではなくロスレスですから、オリジナルファイルの半分程度のサイズに圧縮するものの、デコード時には完全なるオリジナルデータへと復元可能です。ロスレスのオーディオ圧縮という意味ではオーディオ好きの間で既にFLACが流通していますが、こちらはiTunesやApple製品の標準機能では再生互換が無く、一般的に広まっていかないのもその点無関係では無さそうです。

Appleが今回ALACをオープンソース化してきた背景にはきっとFLACの存在があるのでしょうね。ネットインフラが整い、各オーディオデバイスの記憶容量が十分に確保出来るようになれば、何も音質を落としてまでファイル圧縮する必要はなくなります。その時点でFLACの認知度が高まり広まってしまっていては、Appleとしてはフォーマットをごっそり持っていかれてしまいます。今から対策を打つべくオープンソース化で世界中の有志にアプリやツールの開発を呼びかけているのでしょう。いずれにしても近い将来、「昔AACやMP3なんて圧縮使ってたね〜」という時代になるのかもしれません。

技術というのは常に上に向かって進んでいきますから、こういった取り組みは積極的に受け入れたいものです。

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