Simply mini J

1日5分、その日の自分を振り返る時間を作りなさい。
    昔そんな話をお坊さんから聞いた。

誰でも放送局

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All Photo by inos

今日は仕事仲間と放送業界の今後についてちょっと話してみました。彼は放送の方向は電波からネットへはシフトし辛いと言い、放送局が潰れないまでもネットワークを利用した小中規模のネット放送が増えるだろうというのが私の意見。こういう話を真剣に言いあえる仲間は最近減りつつある気がして、結論はともかく ”考えてみる事” に意味を感じました。

私が想像する放送業界の未来像は、”誰でも放送局” です。放送というと地上波とかBSとかCSとかケーブル局とか、今は形のある事業者が代表的に(一方的に)電波を飛ばして、視聴者はあくまで受け身です。でもこれからは放送事業者と視聴者は時に協力関係になるだろうというのが私の考える方向です。今や、30万円も出せばテレビどころか映画クオリティの映像が撮れるカメラが量販店で手に入ります。つまり世の中にはカメラマンが沢山いるとも言えますし、カメラマンになれるチャンスでもあります。ならば放送局とその自称カメラマンの間に上手い受け渡しのシステムが出来れば、両者がハッピーという事になります。放送局からしてみれば取材に行かずに素材が手に入るわけです。場合によってはやる気のある学生は自分達で撮影した素材を編集してちょっとした短編映画でも作るかもしれません。それを公開出来る場があれば、誰でも放送局になるわけです。

その先駆けが私はYouTubeだと考えています。誰もが自由にファイルをアップロードしてネット回線があれば何処でも見れる。そしてこれからはそれに似た仕組みで有料コンテンツを扱えるようにしたら良いのではないかと。ネットオークションに誰もが商品を出品するように、映像コンテンツをアップロードして値段を付ける。出品者の定めた権利に基づき放送に使ったり、個人で楽しんだり、自主制作の素材に使ったり、企業が社内VP素材として利用するなど、使い方は様々です。スマートフォン向けのアプリを誰もが自分なりの発想で開発し値段を付け売れるように映像や音楽コンテンツも自由に売り買いする時代。その為にはApp StoreとAmazonとネットオークションを足したようなサービスが必要になるでしょう。

今は、ネットワークインフラの問題がありますから、動画を見るには時間が掛かるとか、画質が悪いなどの懸念があるかも知れません。また、それが地方と都心で差があったりもしますから、誰にも平等というには無理があります。それでも、恐らく今後3年先くらいにはネットの速度が今の10倍程度に高速化されHD画像程度ならストレス無くリアルタイムにストリーミング再生しているでしょう。そしてその画質は同じHDでも地上波デジタルよりも高画質になっていると予想されます。そこには圧縮方式の進化も加わるためです。今と同じファイル容量ならより高画質に、同じ画質なら小さなファイルになるはずです。そう考えると放送規格に縛られるテレビ放送と日進月歩で進化するネット配信の間ではどこかでクオリティと利便性の両面で逆転する時が来ると考えます。スマートフォンにワンセグチューナーは要らなくなるでしょうね。

さて、本日リリースされたAVID Studio for iPad。タブレット端末で簡単な映像編集が出来るソフトウェアですが、世の中にはiMOVEは勿論、FCPをiPadで動かしているつわものがいたりしますから、このようなソフトの登場は必然としても450円という価格には大賛成です。”誰でも放送局” 開局の大いなる一歩となる事でしょう。そして今回このアプリケーションで注目したいのはYouTubeやFaceBookへのダイレクトアップロード機能が付いている事。これはSONY Vegas Proでもそうですが、近頃の編集ソフトにはこのようなダイレクトアップロード機能が標準で実装されています。どのメーカーのソフトも編集後の使い道を強く意識していると感じずにはいられません。

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