Simply mini J

1日5分、その日の自分を振り返る時間を作りなさい。
    昔そんな話をお坊さんから聞いた。

そんな事より綺麗に見えたほうが良いというなら別ですが

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All Photo by inos

昨日届いたCDの中に1枚だけ紛れ込んだSadeのLive DVD。2002年頃の作品ですが、ネット上の書き込みでは「画質が悪い」という内容のコメントを何件か目にしていました。深夜遅くに眠い目を擦りながら見て見ましたが、それは画質が悪いわけではなく、フィルムにより収録されたLive映像でした。海外では今でもミュージックビデオの類はフィルムで撮影されることが多いです。

日本でも数年前までは ”お金の掛けられる大物ミュージシャン” はLive映像もフィルムで収録しておりましたが、近年では昔のようにCDが売れない関係で予算が削減され、ビデオで撮影されることが殆どになっています。一方でプロモーションビデオに関してはLiveに比べれば撮影時間とカメラ台数が少なくてすみますからFilmで撮影するミュージシャンが多いです。TV-CMにおいては8割程がフィルムで撮影しています。

時代からすれば今は圧倒的にデジタルが流通しているわけですし、制作コストを考えてもビデオはフィルムに比べて一桁少なくてすみますからメリットばかりのような気がしますが、やはりフィルムにはフィルムの良さがあり、ことセルビデオやCMに関しては出来るだけフィルムで撮りたがるのがTV業界との違いです。

実際に音楽Liveをフィルムとビデオの両方で同時に撮影した場合、ビデオ映像の生々しさに驚きます。ある意味それはシャープな映像で人間が裸眼で見た画に近いのですが、ミュージシャンとオーディエンスが作り出す会場内の特別な空気感を表現するには現実的過ぎる描写で、スモークの中をバリライトに包まれた非日常的な体験が、DVDになった瞬間思いのほかチープに見えてしまうものです。その点、フィルムによる撮影は裸眼で見た時以上の濃厚な仕上がりになりますから、おとぎの国を表現するのに上手くマッチするのだと思います。

ビデオとフィルムはどちらが良いと言うものではなく適材適所で使われるものですが、テレビの画面を通して見る視聴者にとっては、それがビデオで撮られたものなのかフィルムで撮られたものなのか情報開示がありませんから、ビデオ撮影が多い日本においてたまに見る海外のフィルム映像は ”画質が悪い” と感じてしまうのかもしれませんね。

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