Simply mini J

1日5分、その日の自分を振り返る時間を作りなさい。
    昔そんな話をお坊さんから聞いた。

山があるから登ろうと考えたのは登山家だけではない

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All Photo by inos

diary5062

好きな映画や音楽について尋ねたら「レオン」とか「レディーガガ」とか即答されそうなものですが、好きな写真や写真家について尋ねたところで明確な回答が得られないのが寂しいところです。

飲み会の席で「ナン・ゴールディン」や「スティーブン・ショアー」の話題など聞いたことが無いですし、「IZISならヴィクトールバッシュ広場が好きで、雨だからこそ孤独感みたいなものが際立ってるんだよね」なんて声も期待できません。もしそんな話題で盛り上がれる飲み会があったら率先して参加するのだけれど。

それが絵画だったりすれば、ムンクが好きだとか、ミレーの優しさが良いとか意見が聞けそうなんですけどね。日本での写真の位置づけは、作品性よりもコミニュケーションの手段が優先されていて、文字で伝えるよりも写真で見せたほうが伝わりやすい...。どうせならそれも見栄えのする画にしたい...そんなところに重点が置かれつつあるように思えます。勿論それは嬉しい事ですし、私自身もきっとそんな気持ちからこうして写真ブログをやっているのだと思います。

ただ世の中は少しずつ変わってきて、デジカメの性能が上がるにつれて、見る人の印象を引き付けるにはいかに綺麗に撮るかとか、真っ直ぐなものは真っ直ぐにとか、背景が綺麗にぼけているとか、コンピューターのスペック競争の延長線上で語られる事が多くなりました。そのせいだけとは言いませんが、書店の写真コーナーを見てみるとそこに並ぶ本の大半が「テクニック集」や「はじめてのデジイチ」みたいなタイトルの使いこなし術を紹介するものばかり。

使い方っていうのはやりたいことがあった先に必要とされる知識のはずだけれど...。

時々行くショップの本棚、ここにはいつもエリオットアーウィットの「1/125」という写真集が置いてあってそれを見るのが好きでした。今は誰かに持って行かれてしまったのか無くなってしまったのが悲しいです。エリオットアーウィットは他にも沢山の写真集を出していますが私の好きな「1/125」はもう絶版だからして、そろそろ中古を探して自分で買っておく決心が必用でしょうか。

人は急いで写真を撮ると大抵左下がりの画を撮ります。右手でシャッターを押すため、力が入るほど左下がりになるのです。でもそんな躍動感のある画を無修正のまま掲載出来るような、そんな写真が撮りたいと常々考えています。その先には斜めになってしまっても撮りたかったものがあったという事ですからね。こうした写真集からはそんな事を思わせる収穫が少なくありません。

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