以前から訴えている事ですが、デジタル写真の鑑賞環境がパソコンディスプレイやスマートフォンである限り、作者の意図する表現の全ては受け手に伝わりません。特にスマートフォンのような手のひらサイズの画面を縦に持ち、そこに表示される写真が横位置なんて時には尚更．．．。写真を大きく見せる意味というのは、大きなものを大迫力で！という意図もありますが、大きな中の小さなものを見せたい時のほうが重要だったり。

カメラの性能は年々向上し巨大プリントへの耐性が飛躍的に上がっているというのに、それを見る環境はスマートフォンへシフトしているという矛盾。4インチディスプレイが5インチになりました！と言ったところでたかが知れています。

まあ高解像度で撮影しておき、プリントしない代わりに掲載コンテンツに合わせてスケーリングすることでノイズ軽減を狙うという裏ワザ的応用が出来るのでカメラの性能向上は無駄ではないですが、画質向上とスケール感は全く別な要素です。

近年はご家庭用4Kテレビが普及してきたため、スケール感と言う意味ではあそこに高解像度写真を表示させればなかなかの迫力になると思いますが、一般家庭ではテレビはテレビ！放送を映すもの！という固定観念がありますし、わざわざインターネットをテレビでは見ないとか、写真ファイルをネットワークやUSBメモリー経由でテレビまで運ぶという行為に及ばないのが現状のようです。それでも自分の子供の写真とか言えば多少手間が掛かってもアクションを起こすのかもしれませんが、こうしてWEBサイトに公開されている写真をそのようには見ないですよね。

実は先日当blogの写真表示プラグインの設定を変更して、オリジナルファイルにアクセスできるようにしました。掲載写真をクリックするとこれまで通りライトボックススタイルで拡大表示されますが、更にライトボックス左下に表示されるDownloadリンクをクリックするとブラウザのフルサイズ表示に切り替わります。ここ数年の埋め込み画像は全て長辺3,200ピクセルの元画像としているのでMac Book Pro 15インチRetinaのフルスクリーンでもドットバイドット表示に余裕があるはずです。

まあそれもスマートフォンからのアクセスの場合には焼け石に水かもしれませんね。悩ましい時代です。

余談になりますが、当ブログの写真はサイトにアクセスしただけでは何故か高解像度表示がされません。ページ表示後ブラウザのリロードボタンで更新を行うと画質が向上します．．．。