Simply mini J

1日5分、その日の自分を振り返る時間を作りなさい。
    昔そんな話をお坊さんから聞いた。

まだまだ空は広い

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All Photo by inos

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今年で2回目となる国際ドローン展が千葉県幕張メッセで今日からスタートしました。昨年に引き続き今回も私は説明員ではなく視察係として市場の動向をチェック。2015年は何かとお騒がせだったドローンも国内では法がきっちり固まってきたり、ドローンメーカーの配慮もあって、今は冗長性を十分考慮した上でホビー以外の ”可能性” に各企業が取り組んでいる...そんな状況にあるようです。最近の機体は飛行禁止区域では離陸すら出来ないようになっているようですね。

さて国内のドローン市場を常にリードするPRODRONEさん。相変わらずペイロード30kgなんていう大型機をズラリと並べて技術の高さをお披露目しておりますが、今年はなんと違法飛行中のドローンを捕獲するドローンを展示しておりました。つまりドローンをドローンで捕まえる!という斬新なコンセプト。捕獲する為のネットランチャーを4発装備しており空中で対象目がけて発射するそうです。なんだか凄い時代になってきましたね。

そして業界の流れは全天候型だそうです。ホビーや空撮は別として企業がドローンを何かの手段として使おうと考えれば、確かに天候に左右されない事は重要ですね。

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こちらもPRODRONEさんの展示ですが、いよいよデリバリー目的の機体がコンセプトとして形になってきているという事でしょうか。米Amazonがネットショッピングにドローン配送を検討しているという話は随分有名ですが、日本でも千葉県では既に実用化に向けて動き出していると聞きますから、それらに安全と荷台の実用性を加味するとこういうスタイルになるのでしょうね。個人宅への配送は現実的ではないにせよ、倉庫にあるパーツを本社まで運ぶ!なんて業務目的なら確かにマッチしそうな気がしてきます。

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SECOMが防犯目的でドローンを導入!という発表があったのが昨年、今年も展示されていたのでお話を伺ったところ、既に導入実績があるのだとか。不審者を発見するとオートパイロットでドローンが飛び立ち上空から追跡するという映画の1シーンのような事がもう日本でも始まっているのです。

続いて今年はNTT東日本もこの展示会に初登場しており、こちらは災害現場などでライフラインが寸断された際、ドローンにてケーブルを引き直すのだそう。まさに今回の熊本の地震のように、谷に架かっていた橋が丸ごと無くなってしまうケースにおいては、橋に沿って這わせてあるケーブルも同時に失うという事ですからこのような技術が望まれます。これまで復旧に相当時間とお金が掛かったのだそうです。話によると釣りざおやペットボトルロケットを使っていたんだとか...。う〜ん焼け石に水というか、大変な苦労があったんだろうと想像出来ました。それが今後はドローンで向こう岸までケーブルを運べますから、刀から機関銃に持ち替えたくらいの進歩ですね。

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ドローンを空撮や宅配や災害時の補助として使う以外に、随分前から実用化が検討されている測量の世界。地上からでは難しいような起伏に富んだ地形の測量を上空からスキャンしてコンピューターの画面上に3D表示するという技術。今年は2,000万円とも言われるレーザースキャナー搭載機まで登場していました。これを使う事で、樹木が植わっている土地でも正確に地表の計測が出来るのだとか。凄いですね。

そしてサーモカメラを搭載した機体もいくつか見かけました。サーモカメラ、つまり温度に反応するカメラにより、通常の画像認識だけでは難しいような環境で目標物を判別するのに重宝するそうで、恐らく山岳救助のように険しい山間から遭難者を発見するような目的で使われるのでしょうね。まあ映画プレデターそのもの!という事になりますね。

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職業柄思わず反応してしまったのが上の画像。CMや映画の世界でお馴染の3D-CGソフトAutodesk Maya。なぜここに?と思ったら、何とこのMayaの中で3次元CGとしてオブジェクトを作って動かしたら、それをドローンの制御にそのまま使えるのだとか。要するに、画面の中で作っていた動きを現実世界でドローンが実現してくれる!というわけ。ちょっとこれまでと発想が逆転している感じで面白いです。今まではカメラで実写映像を撮ってくるとそれと動きを合わせるようにCGを作りましたが、こちらはCGが先にあって、それと同じ動きをドローンに撮ってこい!と指示を出すわけですから。

でもこれは撮影に特化したシステムではなく、Mayaの動きとドローンの動きが同期するシステムと考えられますから、つまりはMayaがコントローラーの立ち位置なわけです。橋の点検をしたいのならMayaの中で動きを作ればその通り点検に使えます。農薬散布をするなら畑や田んぼのトレースポイントをMayaで指定すればその通り飛んできてくれる...。いやはや農家さんもCGソフトが使えるかどうかで効率が左右される時代ですか...。

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さてこちら、ドローンというのは何もマルチコプターの事を指すわけではなく無人航空機全般を言いますから、飛行機のようなこれもドローン。大抵こうしたタイプの機体は長距離飛行を目的としたものが多く、このモデルも御多分に漏れず...ではあるのですが、ちょっと面白いと思ったのはエンジンも搭載しているという点。それも動力目的のエンジンではなく発電用!

そう、ドローンの世界もいよいよハイブリッド機の登場というわけです。

発電機搭載ですから極端な話バッテリー無しでも飛行出来るんだとか。一応バックアップ用にバッテリーの搭載は考えているとの事でしたがコンデンサーでも何とかなるらしいです。どうせエンジンを積むならわざわざ電力に変換してモーターを回さなくてもそのままペラを駆動すれば良いのでは?と思うのですが、振動の面で不利である事と、フライトコントローラーからのフィードバック制御等を考慮すると電動で飛ばすのが安定性においても優れているようです。故にエンジンは発電機というわけです。

搭載するエンジンにはセルモーターも組み合わせたいと言っていましたから飛行中万一エンストしても再始動が可能になると言います。意図的に止めたり回したりして飛行距離を稼ぐ事も出来そうだとか。なるほどいろんなアイデアが出てくるものですね。

会場全体を見渡してちょっと拍子抜けだったのは、まだドローン界にはVRなる技術はそれほど浸透していない事。いえ、映像業界でもここ半年ほどで急に盛り上がってきた技術ですからワークフローも含めた環境作りはこれからなんですが、ドローンに360度カメラを取り付ける事で見えてくる可能性ってあると思うんですよね。今後に期待です。

※ 会場は写真撮影禁止の場所が多いです。掲載したものは全て許可を頂いて撮影しております。

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