Simply mini J

1日5分、その日の自分を振り返る時間を作りなさい。
    昔そんな話をお坊さんから聞いた。

六本木アートナイト2017(2)

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All Photo by inos

六本木アートナイト、東京ミッドタウンでの展示を楽しむのは程々にして、そこから歩いて5分ほどの距離にある国立新美術館へ移動。Google Mapの案内を信用して歩いたら随分遠回りになって結果的に10分以上歩いた気が...。途中、”悪い人” に襲われそうな暗い夜道を通り抜け、美術館の周囲をぐるっと回るように正面へ。

この日の国立新美術館は22時まで営業。

 

美術館の正門を入ったところにはLEDライトと風車で作ったお花畑のようなオブジェが展示されており、周囲が真っ暗という事もあって異様な光景でした。訪れた人達がそれを取り囲むように写真を撮っているので ”そういうもの” として受け入れられるのですが、普段からここにあって人気(ひとけ)が無いにも関わらずここだけが光っていたらちょっと怖いですよね。

これも普段は閉館しており周囲が暗い事を上手く利用した展示だったのかもしれません。

他にも巨人のハリボテみたいなオブジェがあったりしてどれもライトアップされているわりに周囲は暗いので、アート作品を見る人々のシルエットがまた美しく、アートナイトならではだなぁ何てことを感じたり。

館内に入ると中は週末の昼間のように来場者があちこちにいて、通常ならこの時間レストランで食事でもしていそうな人達が次々とアート作品を見に展示エリアに吸い込まれていくので不自然といえば不自然。

それもエントランスの円錐状の柱にプロジェクターで映像作品が流されていたりして、写真には撮りませんでしたがその前には床に座り込んでリラックスしながら内容を見入る人達の姿。美術館というだけあってミッドタウンの展示より芸術寄りなところを見るといよいよ今日が特別なイベントである事を実感する場所でもありました。

   

これらの展示作品はすべて無料で見る事が出来ます。入館料すら不要。勿論有料エリアもあるのですがそちらは通常営業の企画展示だったりするのでこの一夜に集中しなくてもよいだろうと私は無料エリアだけを堪能。とは言え広いですよ。

主に絵画を展示するエリアと、オブジェのような作品を展示するエリアで構成されていて、これらのオブジェがなかなか面白いものがあったりします。

近年は芸術作品に関わらずインテリア雑貨にも見る事が増えたのが、異なる材料を組み合わせて一つの形状を作り出す技術。ここでは真鍮の枠に花柄のような模様をガラス(もしくはアクリル)で表現したプレートが展示されていました。この場合は恐らく真鍮の枠に花形の穴を開け、後からその穴にガラスやアクリルを流し込むのだと思いますが、世の中にはそれを金属ではなく木とプラスチックとかで構成する人もいるんですよね。熱が加えられない素材ほど難しい技法のような気がするのですがどういうテクニックを使うのでしょうね。

また、一方では巨大なコマをペーパークラフトで実現している人もいました。紙を重ねるだけで巨大コマを完成させるのですから膨大な材料が必要になる事は勿論ですが、どうやって面合わせで紙を重ねていくのかも興味ありますね。多分、最初はトイレットペーパーのようなロール状に巻いたものを、後から中心だけズボっと押すのだろうな!とか。

その他にも色々な展示がありましたが、自転車のサドルで作った風鈴などは笑ってしまいましたね。サドルじゃなくてイイよね?とか。

 

絵画の展示コーナーはとても広かったです。一つ一つの作品が人の背丈よりも大きいものばかりで小さな展示は逆にありませんでした。しかしこれだけの巨大な作品ばかりよく集めたな!と感心させられました。美術館1Fと2Fの殆どがこの展示ですから、世の中には作品の数だけ作家さんがいるということ、素直に驚きます。

私の好みは上に掲載した白と黒のワンコの絵。動物の毛並みを絵に描くのはなかなか大変だと想像しますが、この2枚の作品はその精細感が凄かった。それも巨大アートが成せる技といいましょうか、小さかったら筆で描くにも限界がありますが、このサイズだから緻密な表現が可能になる。大きさを活かした作品作りでしたね。

1Fも2Fも十分に堪能してさあ次の会場に向かおうと思った時、私は何でもないようで凄い事に気付きました。それが下の写真。分かりますかね、私が全部のガラスに映っているのが...。

これは作品でも何でもなくて、ただ単にこの美術館の特徴でもある湾曲したガラス配置がたまたまこの1点を取り囲むようにアールを描いて建てられているのです。他の場所ではなくここだけ!。それも夜じゃないと室内の様子がガラスに反射はしないはずですから1年にこの夜だけここに立つと自分の姿が全てのガラスに反射する様子が見られる...。偶然の発見でしたが私はこの日一番の芸術を見たような気がしましたね。

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