Simply mini J

1日5分、その日の自分を振り返る時間を作りなさい。
    昔そんな話をお坊さんから聞いた。

六本木アートナイト2018(1)

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All Photo by inos

2017年は10月に行われた六本木アートナイト。今年2018年はどういうわけか5月の開催。昨日NHK技研のオープンハウスを見た後は砧公園を散歩してその足で六本木へ移動。なかなかアクティブな1日で合計15kmも歩く結果となりましたが充実感は一入。やっぱり参加してよかった六本木アートナイト2018

アートナイトという名前の通り、六本木という街を挙げてエリア全体でアートを盛り上げましょうというイベント。昼間から始まっていますがやはり見どころは照明効果が発揮される夜だったりして、普段は夕方には閉館する美術館などもこの日だけは深夜までやっています。オールナイトで参加する人達も少なくないようでもはや学園祭にも似たアートフェスとでも言いましょうか。

今年のテーマである「街はアートの夢を見る」に呼応して、世界的なアーティスト ”オノ・ヨーコさん” の書がミッドタウンや六本木ヒルズなどメイン会場となるいくつかのポイントに巨大バナーとして展示されています。そしてその近くでは来場者に同デザインのシールが配布され、各々好きな場所にそれを貼り付け一体感を楽しみます。ライブイベントの入場パスみたいな感じで私はこういうの好きですね。夜光塗料が使われているとかで「夜は光ります!」と訴えていたけれど、ちっとも光らなかったのは残念...。

例年ですと私は夕暮れ時からの参加で暗くなりつつある美味しい時間帯から集中して各所をまわるのですが、今回は17時前くらいには現地に到着しこの巨大人間型風船を見に行きました。多分このオブジェに関しては照明が無く明るいうちに見ておかないと!と思っていましたからね。そしたら決してそんな事はなく、暗くなってからもそれなりに見られるよう工夫されておりました。そりゃそうですか、今年のメインキャラクターみたいなモノですから夜は見えません!ではすまされないですね。

それにしてもこの人間型風船は大きいです。目測で20メートルくらいはありそうで、透明のビニールを繋ぎ合せて象っているようですがその繋ぎ目は非常に綺麗な上、風船ですから当然空気が漏れてはいけないわけで正確な張り合わせが要求されたはずです。いったいどんな場所で作るのでしょうね、実際に膨らめてみない事にはエア漏れのチェックも出来ないでしょうし歪な形になってしまっていても気付きませんから製作は結構大変なんじゃないかと思います。

日が落ちてこれくらいの時間になると参加者もどっと増えてきていよいよイベント本番という空気になってきます。六本木アートナイトは東京ミッドタウン、六本木ヒルズ、各美術館など、街のあちこちが会場となっていますから、参加したいイベントや見ておきたい展示がある場合は自分なりに優先順位を決め効率良くまわる工夫が必要です。全ての会場が朝まで開催しているとは限らず、23時くらいで閉館する施設もありますからね。

私は今年も東京ミッドタウンからスタートし施設内外の催しものを楽しみました。

「凡人には理解不能な表現」でもそれを「アート」と呼んでしまえば言ったもん勝ち!みたいなところが芸術の世界には多いように思います。嘗て「芸術は爆発だ」と岡本太郎が言い残したように、人と違う事を形にしようと思えば突拍子もない発想というのも時には必要なのでしょうね。それがあまりにも奇抜すぎて人々は足を止める。

「これって何なの?」と思ってしまったらそれまで、「これって○○みたい」とか「○○を感じる」とか「こういうの好き」ってな具合に、見た人自身がそこに意味を添えられるようなものが芸術。と、私は自分に言い聞かせながら様々な作品を見ました...。

今回のイベントで私が一番見たかったのがミッドタウンに隣接するデザイン施設 ”21_21 DESIGN SIGHT” で開催された「写真都市展 − ウィリアム・クラインと22世紀を生きる写真家たち −」。

この展示自体は六本木アートナイトに特化しているわけではなく、展示期間中に丁度アートナイトが重なってその日だけは深夜まで開館延長を行っているという事のようでしたが、写真好きな私としてはアートな夜にじっくり見たかった唯一の展示だったのです。それもあって今回はミッドタウン側から攻めていった!というわけ。

コンクリート打ちっ放しの入り口に真っ赤なイベント告知。これだけで既にカッコイイ。

館内に入るとグッズ販売が行われているちょっとしたショップがあったりするのですが、もはやそれらには目もくれず一目散に展示のほうへ。アートナイトは多くの展示が無料だったりするところ流石にここだけは有料。

22世紀を生きる写真家たち...というタイトル通り、何人かの写真家さんの作品がグループ展のように展示されているのですが、私が心を打たれたのはやはりメインとなるウィリアム・クラインの作品。今回は写真作品はウィリアム・クラインが、マルチプロジェクションによる展示アイデアはTAKCOMさんという方が担当されているそうで、写真の世界観とマルチプロジェクションによる新たな表現手法がバッチリはまっていて圧巻でした。

プロジェクターもいったい何台使われているのか数えきれませんでしたが、スタックやブレンディングではなく、室内に様々なサイズのスクリーンがお客さんを取り囲むように360度配置されており、時には前方のスクリーンだけ、時には一面だけがカラー作品となり残りの3面がモノクロ作品になったり、時には足下にプロジェクションマッピングのように幾何学模様が現れたり...。作品の内容と相まっていくらでもそこに居られる感じでした。実際、作品は5分くらいで1周しているようでしたが私は多分20分くらいはこの中に居ましたね。

施設の出口付近には何やら巨大なジーンズが壁から垂れ下がっておりました。これは今回の写真展示の一部としてデザインされたものなのかアートナイトの一環なのか分かりませんでしたが、多くの人が素通りしていくのが勿体無かったですね。中にはじっと見つめていく人もいて興味の分れるところだったようです。

さてこの時点ではまだ2018アートナイトは始まったばかり。私個人的にはこの写真展示だけでほぼ満足してしまっていたのですが、この後は予定通り国立新美術館方面へ足を運ぶ事になりました。

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