Simply mini J

1日5分、その日の自分を振り返る時間を作りなさい。
    昔そんな話をお坊さんから聞いた。

自然から学ぶ

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All Photo by inos

深夜の雲はどこへ行ったのだろうと自分の記憶を疑うくらい青く抜けるような空。ここ数日の関東甲信越は異常気象と呼べるほどの暑さが続いていますから、多分標高の高い高峰高原では昼と夜の気温差が激しく霧や雲が予想以上に発生したのでしょうね。普通は夜の天気なんてさほど気にしないと思いますので昼間これだけ晴れてくれれば文句無し!となるのですが。

昨日紹介した池の平湿原ではもう少し写真を撮っておりましたので引き続き今日もそこんとこ紹介。

こんな森の中ですが暑さが何とか凌げる木陰に入った時はリュックに詰め込んだ重たいレンズを取っ換え引っ換えしながら写真を撮っておりました。上の写真みたいなのを撮る時は手持ちのNikon 20mm F2.8 Ai-Sなら非常に軽量コンパクトで使い勝手が良いのですが、今回はなんといってもSIGMAのArtラインの巨大レンズですからNikonの5倍近い重さ!それでもせっかくレンタルしてきたのですから必死に構えて撮っています。

虫が苦手と言う人にとって、これほどの大自然に足を踏み入れるのは苦痛以外の何ものでもないかも知れませんが、長野(南部)で生まれ育った私からすれば多少の虫は平気(強がり)ですから、それよりも計り知れない生命力を感じるこのジャングルみたいな場所には安らぎを感じますね。

とはいえ、前日の夜に写真撮影のため一晩粘った場所の近くにあった巨大な水銀灯に集まる虫の多さと来たら私の人生で記憶に無いくらいのものでしたけどね。水銀灯の光が虫で遮られて辺りが暗くなるほどでしたから...。頭上をぶんぶん音を立てて何かが飛んでいましたし。

自宅でテラリウム何ぞ手がけるようになってからというもの、自然の中に来ると ”本物” をまじまじと観察するようになりました。子供の頃なんて気にも留めなかったんですけどね。どうですかこの苔の上にカイワレダイコンみたいな植物がふさふさと生えそろっている様! 人工的に作ってもこれより綺麗には仕上げられないんじゃないかと思うくらいバランスよく生えていて、しかも緑が美しい。

やはり太陽が生み出す自然光というのは植物が必要とするあらゆるスペクトルの光が含まれているだけあり、LEDや蛍光灯やメタハラみたいな光源とは全く違う事を思い知らされます。一言で表すなら ”栄養たっぷりの光” って感じで。人工光だけで育てていると全ての色素が薄くなってしまうんですよね。緑も赤も色褪せたみたいに。

自然が作り出す苔もまた芸術的です。こうして見ると苔が好む環境というのは日向でもなく完全な日陰でもなく、時々木々の隙間から日光が差し込むような場所を好みそうだという事が分かります。勿論それは苔の種類にもよりますから完全に日陰を好むものやジメッと湿った環境に自生するもありますが、屋内で人工的に育てるとしたら常に多湿の環境を維持するよりも多少乾燥に強いくらいのほうが育てやすく現実的で、上の写真みたいなものが参考になります。

苔って非常にゆっくりしたスピードで成長を続けやがてコロニーとなって一つの塊になると言われていますが正にそのコロニーの状態が枯れ木の上に自生していました。根を持たない苔をこれだけ美しく枝に定着させるには自宅ではちょっと難しそうですね。岩に生えているほうはハイゴケでしょうかね。

緑の中に赤やピンクの花が咲いているととても栄えて美しく感じます。花屋さんに行けば色とりどりの花が売っていますが、大自然の中って実はそれほどカラフルではなくて緑や黄色や茶色が殆どですからたまにこういうのを見つけると立ち止まって「お〜キレイ」と感激します。

昔どこかで聞いた事があるのですが、一部の動物は色を感じない目をもっているそうで犬なども人間ほど幅広い色を感じられないそうですが、野生動物が森の中を走り回ってこうした花を見た時どう感じるんでしょうね? 仮に人間と同じようにフルカラーで色を感じるとしても動物は ”綺麗” という感情を持ち合わせてはいないのでしょうか。

池の平湿原を半周回って1時間半ほどで出発地点に戻ってきました。この時始めて知るわけですね、出発地点に休憩場所がある意味を。涼しいとは言っても25℃近くの炎天下をリュックを背負ってアップダウンすればやはり暑いわけで、木陰に作られたベンチが有難いわけです。何処かのおばちゃんがそこで瞑想にふけていたわけですが気持ちは理解できました。おばちゃん多分自然が大好きなんでしょうね、その洋服の柄からもなんとなくそんな事が感じ取れます。

ここが東京ならそのベンチの空きを待つ行列が出来そうなものですがここは山の中。ベンチなんて沢山余っています。私もそこでじっくり体を休めてきました。

池の平湿原を離れ、嬬恋へ続く地蔵峠の途中を車で走っていたら驚くような光景を目にしました。山の中に牛がいる...。よく見ると人工的な杭のようなものが打たれているので、恐らくここは牧場の一部で牛が放し飼いされているのだと思いますが、完全に山の斜面で牧草地っぽくはないですから知らない人が見たら牛って自然の中にもいるんだ!と思ってしまうでしょうね。行き交う車が次々とブレーキを踏んでこの光景に見入っていました。

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