Simply mini J

1日5分、その日の自分を振り返る時間を作りなさい。
    昔そんな話をお坊さんから聞いた。

青ヶ島・八丈島・短期集中観光(8)

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All Photo by inos

旅の最終日はいつだって少し寂しいものです。この日の予定は八丈富士登山およびお鉢めぐり。

しかし早朝から音を立てて降り続く雨に行く手を阻まれ、予定時刻の2時間遅れで宿を出発しました。それでも雨は止んではいなかったですが、かろうじて小雨になった事と、いつもは当たることのないWhether Newsの ”午後には晴れる” の予報を信じて。

単なる観光なら車移動ですからそこまで天気を気にすることもないのですが、流石に雨の登山は嫌だなぁと。

標高800メートルほどの八丈富士ですが、500メートル付近までは車で行くことが出来ます。そこには歩いて上る登山道入り口の他にふれあい牧場なる名スポットがあり、牛と戯れるだけでなく空港を中心とした街の景色を一望することも出来ます。ただまあこの時は休憩所のような建物から外の景色を眺めつつ暖かい飲み物を飲みながらひたすら雨が止むのを待ちました。日は差すがやまないという微妙な空模様。

目の前に放牧された牛ですが、他のどの牧場で見た牛よりも元気で、馬と見間違える勢いで軽やかに走り回っていました。牧場管理の人に話を聞くと、牛って40km/hくらいで走れるらしいです。人間も確かそれくらいでしたよね?

1時間ほどしても雨はやみそうでやまない。防寒対策こそばっちりですが、レインコートは持っていなかったため安易に登山を始めて途中で土砂降りになったらまずいのでそこは慎重に判断することに。タイムリミットが迫ります。この日は夕方の飛行機で東京へ戻る予定ですから、少なくとも15時くらいにはこの場所を後にしないと...。

この時すでに11時30分。八丈富士は上り1時間、お鉢巡り1時間、下り1時間の計3時間をみておくのが妥当とされていますから、12時には登山を開始したいところ。100歩譲ってお鉢巡りを諦め登頂だけを考えるなら2時間半あれば何とかなるでしょう。という事は12時半開始をリミットに設定。

ぼーっとしていても仕方が無いので一旦山を下り、前日に行けなかった島の北半分を周回ドライブしてから戻ってくることにしました。本当にただ走ってきただけですけどそれで予定より少し早めの12時10分戻り。雨は...止みました!

駐車場に車を停め、必要最低限の荷物のみをリュックに入れ防寒対策は万全。この4日間の旅行で初めて手袋と耳あてをして歩き始めました。山ですから気温が低いだけでなく風が強いですから顔が冷えて頭が痛くなります。

登山道は土と砂利で出来た獣道のようなものかと思いきや、写真のように半分は石段、半分はコンクリートの坂道になっており、このままお鉢巡りの分岐点まで続いています。

上り始めは早足で元気よかったんですけどね、2つほどカーブを曲がったところでこの登山が結構きついことが分かってきます。何しろずっとこの傾斜が続いていますから休憩場所が無いというか中間目標が無いので、あそこまで上ったら一旦休憩しよう!という気持ち的な区切りが付けにくいのです。途中で立ち止まっていたらなんだかさぼっているような気さえして。

標高たった300メートル分を上っただけですが随分大変でした。やはり年相応に体力が落ちていますね。

予定ではお鉢までたどり着いて一望したら下って来ようくらいに思っていたところ、いざ到着してみると想像したような火口が見えず、達成感としては少々物足りないものでした。ここからズドーンと大きな穴が望めると思っていましたからね。

じゃあお鉢を半周して八丈富士の本当の山頂まで行けば見えるのではないかと、そこまで歩いてみる事にしました。ここまでのような急な上り坂ではありませんから体力的には楽ですが、足場が悪いのと、山道の両サイドは急斜面ですから風に吹かれてふわっといったら命はないな!と、両手両足を使って慎重に進みました。

やがて到着した山頂。悪天候もあってこの時上っていたのは私以外に4人ほどのグループのみ。

八丈富士山頂付近は視界を遮るものが何もありませんから、街の方向を望めばスバラシイ景色が広がっています。向かいにある三原山を海が取り囲んでいる様子が良くわかり前方後円墳のような島の形も。

しかし肝心なお鉢のほうはというと...やっぱり火口は見えない。お鉢って言ったら普通はすり鉢状の噴火口を想像しますよね?でもこの山はそこに蓋がされているような形状。こういうものなのかな? と思って渋々戻っていくと、後から上ってきた子連れ夫婦とすれ違い、お鉢の中へ降りていくと断崖絶壁の絶景が見られると教えてくれました。

さあここからが勝負です。この時既に14時を過ぎていましたからタイムリミットまであと1時間。車までの下りの時間を考えるとギリギリな感じです。今からお鉢に降りて行って時間的に戻ってこられるだろうか?

小走りで行きました! ジャングルのような木々をかき分けて雨が残した水たまりで泥んこになりながら。そしてたどり着いたのが浅間神社。その脇から確かに絶壁の火口を眺める事が出来ました。沢山の緑で包まれているのは近年大きな噴火が起きていない証拠ですね。

これにて今回予定していた4日間の全てのスケジュールが終了。あとは気を付けて帰るのみです。特に時間に追われての移動はとかく事故などの失敗を起こしがちですからね。

旅の最後に登山を持ってくるのはなかなかの達成感が味わえました。

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